クリスマスは「はしご鐵にはしご酒」で 1章2節「博多でバースデーディナー」

12月22日。福岡空港から地下鉄に乗って博多駅へ

博多に滞在できるのは、わずか2時間。
それでも食べておきたいモノがあり、早い時間から開いている店を予約していたのです。

飛行機の中でつまんだおやつのせいか、イブクロがスッキリしないので、コンビニで食前酒を入手。
歩きながらラッパ飲みすると、何となくつかえていたモノがストンと落ちました。

アクセス

高架を右手に見ながら進み、

「ほら、あそこ」
駐車場越しに看板を見つけたのは相棒でした。

そこからぐるりと回り込んで、入り口へ。
にしても、ヤシの木風のイルミネーションってラブホじゃあるまいし…。

「確か、開店は4時半だったはずだけど…」
不安を覚えつつ「営業中」の札を確認して店内へ。

店内の様子

我々が口開けの客でしたが、5時半を回ると忘年会のグループも入ってにぎやかになりました。
相棒は、若いスタッフがみな外国人だったことを意外に思っていましたっけ。

メニュー

せっかくの料理にスーパードライという気にはなれないし、九州に来て八海山や出羽桜というのもなんだか…。
梅酒やサワーは何種類かあるとはいえ、飲み物にはそれほど力を入れていない印象を受けました。
「福岡の地酒はどれですか?」と店主に尋ねると、「繁桝」と「蔵出し美人」とのこと。
いわれてみれば、店内に「繁桝」の垂れ幕も下がっていますしね。

さて、これからいただくのはフグのフルコース。
数日前に誕生日を迎えたワタクシのバースデーディナーというわけです。
旬のこの時期、本当は下関でと考えていましたが、関門フグは博多にも入ってくるのですから。

いただきます

■繁桝一本〆(500円)、ふぐ白子豆腐
白子豆腐のコクのあるなめらかな舌ざわりにウットリしながら、繁桝を口に含みます。
際立ったモノは感じませんでしたが、うまみはそこそこ。
西日本の酒のほうがワタクシの口には合うようです。
それに桝にあふれるよう、なみなみと注いでくれるのがうれしいねぇ♪

■ふぐ刺身
ふたりでひと皿だろうと思いきや、なんとひとりひと皿。
身をかみしめた時の弾力とうまみはさすがです。
コリコリした皮は、コラーゲンそのもの。
明日の朝はお肌ぷりっぷり?

■ふぐ握り
ひと口大のかわいらしいお寿司。
柔らかめに握った酢飯がホロッととろけます。

■ふぐ唐揚げ
カラッと揚がった白身は、プリプリのホコホコ。
刺し身にはそれほどの感激を見せなかった相棒も「コレはうまい」と絶賛です。

旅行前、フグを食べに行こうという話になった時に相棒が見せてくれたのがこのシーン。

こんなのを見たら、食べたくなるのも無理はありません。

■焼き白子(1,500円)
コースには含まれていませんが、こんな時でもなければと追加注文。
表面をプチッとかみきると、トロリとしたクリームがあふれ出ます。
魚の精巣というだけあって、栄養価も高そう。
命を感じさせる味わいです。
「死ぬ気になれなきゃ喰うしかない。喰うんならうまいほうがいい」
「うまいんだよなぁ、困ったことに…」

■焼きふぐ
軽く干物にすることで、旨味がさらに凝縮されます。

■ふぐ茶碗蒸し
茶碗蒸しの中にも大ぶりの白身が。
ホロリと崩れる食感も、むっちりしたゼラチン質も味わえます。

時間が厳しくなってきたので、料理を出すペースを速めてもらいました。

■ふぐ鍋
グツグツの水炊きをもみじおろしを多めに入れたポン酢でいただきます。

皮はだのうまさの何ともいえないことといったら!
食べるのが止まったままになっていた刺し身も、鍋に入れてしゃぶしゃぶしちゃましょう。
生よりも火を通したほうがだんぜんオイシイ♪

■ふぐひれ酒(500円)
時間が気になるものの、ふたりで1杯ならとふぐ酒を追加。
想像をはるかに上回る旨味。
アルコール分もほどよく飛んでいて、お酒というよりスープです。

■ふぐ雑炊
タイムリミットが迫り、あきらめようとした寸前に出てきました。
吹き冷まして、必死でかきこんでいる間に相棒がお会計。
落ち着いて味わえなかったのは残念だったけど、食べきれてよかった!

乗り遅れないよう、急げ急げ

小雨降るなか、傘も出さずに小走りで博多駅へと向かいます。

ホームに上ると、1本前の「のぞみ」がホームを出ようとするところでした。

18:42発の新大阪行きは、鹿児島からやって来る「さくら」

30分ほどの乗車だし、立ったままでも知れているからと自由席にしましたが、すんなり座れちゃいました。

改札内のコンビニで買ったハイボールを開けてひと息。
短い九州滞在を終え、本州へ戻ります。

店舗情報

★博多海鮮 魚ふく
福岡市博多区博多駅南1-7-14 ボイス博多1F
092(473)8868
午後4時30分~午後11時
日・祝定休