1月21日。偶然の出会いがもたらした夢のような夜でした
何気なくゴスペルを口ずさみながら帰ってきたところ、ちょうど出かけようとする住人さんと玄関口でバッタリ。
「キレイな声ですね」
聴かれてしまったと焦った次の瞬間、「これからアフリカ料理を食べて、フルートの演奏を聴きに行くんですけど、音楽がお好きならご一緒しませんか」とお誘いをいただきました。
えっ、アフリカ料理ですって?
直感のようなモノを感じて、すぐさま話に乗りました。
「アフリカ料理というと、トーゴ料理ですか?」
「えっ、ご存知なんですか?」
というのも、これまで何度か参戦している「赤坂食べないと飲まナイト」で、名前だけは知っていた店なのです。
アクセス
お店があるのは「食べ飲ま」が開かれる時のメーンの通り沿い。
吉池のひとつ交番寄りのビルの2階です。
急な階段を数段上ったところで、目に入ったメニューをカメラに収めます。
店内の様子
店に入ると、すでに待ち合わせ相手のひとりであるF山さんが壁際の席に座っていました。
カタコトのフランス語で店員とやりとりする住人さん。
どうやら人数が増えたことと、席を移る意思を伝えようとしているようです。
30分前には予想もつかなかった急展開。
「あの…、なんと呼んだらいいですか?」
そう尋ねて初めて、住人さんの名前がユキちゃんだと分かりました。
メニュー
もともとユキちゃんが声をかけたというM田さんは、到着まで少しかかるとのこと。
「来る前に乾杯しちゃいましょう」と促されてメニューを開きます。
こういうところに来たら、やっぱり現地のお酒が飲みたい。
カステルとかフラッグって何だろうと思って店員に尋ねると、窓辺のビールを指差されました。
「じゃぁ、ワタクシはカステルで」
■カステル
瓶の栓を抜き、ジョッキに注いだ状態で出してくれます。
色合いのわりにあっさり。
食事の邪魔をしないビールです。
フードメニューを開くも、未知のモノばかりで見当がつかないので(苦笑)、入り口で撮ったメニュー写真を見せて3種類すべてをオーダー。
「いくら?」
「1,600円と1,700円と1,600円」
どれがどれだか分からないけど、まぁ、よかろう。
いただきます
■豆とツナの煮込み&キャッサバ芋の粉
豆の味とツナの風味がマッチした優しい味。
さらさらのキャッサバ芋の粉を加え、独特の食感を楽しみながらいただきます。
辛いソースは少量でも結構効くけれど、コレがやみつきになるんだな。
■チキンと野菜のクスクス
ベースの味は豆とツナの煮込みと同じ系統ですが、ツナとチキンとの違い、穀類の違いでビミョーに雰囲気が変わります。
■フェトゥリデシ
チキンのオクラソース煮込みとトウモロコシ粉でつくったお餅のセット。
ユキちゃんが一番好きだというアフリカ料理です。
「向こうにいた時は、手で食べてたんだよな」と、ちぎったお餅を器用に丸め、ソースにくぐらせるM田さん。
つられてワタクシも手で食べ始めます。
指先だからこそ感じられる、トウモロコシの餅の崩れる感覚やオクラソースの粘り。
はしやスプーン・フォークしか使わない多くの民族は、損しているのかなと思ったりもして。
デザートを頼もうとユキちゃんがメニューを手に取ると、「サービスしますよ」といわれ…。
フリットしたバナナの上に、カラメルソースとアイスクリーム。
温かさと冷たさが不思議とマッチする、冬のデザートです。
ねっとりした甘さにエスプレッソが合いますなぁ。
店舗情報
その後、タクシーを拾って銀座へ向かい…
こんなところで、
フルートとピアノのアンサンブルを。
1月らしく「春の海」で始まり、「リベルタンゴ」で知られるピアソラの曲へと続きます。
10人ちょっとも入ればいっぱいの小さなお店だけに、演奏者との距離の近いこと。
「フルートをこんなに間近で見るなんて初めて」と、ユキちゃんはコーフンしきりです。
F山さんがひいきにしているというコチラのお店。
演奏の機会に恵まれない若い音楽家を応援し、生演奏を提供することで人が奏でる音楽を身近にしていくことを目指している、クラシック音楽バーなのだそうです。
住人さんがあのタイミングで出かけるのでなければ、そしてワタクシが上機嫌で歌っているのでなければありえなかった出会い。
これが縁というモノなんでしょうね。