SLパレオエクスプレス、リベンジを図る その2「念願のC58」

6月9日。相棒の思い入れは特別なのです

相棒が「じぃちゃん」と懐かしむ亡き祖父は、若いころSLの機関士をしていました。
その祖父が当時運転していたのと同じ型の蒸気機関車、C58(シゴハチ)がひく列車に首都圏から一番近いところで乗れるのが、秩父鉄道の「パレオエクスプレス」
サクラの時期にチケットを押さえ、何年越しもの願いを果たせると胸を躍らせたものの、機関車の不具合で空振りに終わったのは、先だってブログに記したとおりです。

彩の国で「花より団子」 その1【梅林堂(熊谷市)ほか】


いよいよご対面

メーンイベントに備えて買い足しをして改札まで戻ってくると、次第に人が増えてきました。

三峰口行きの「SLパレオエクスプレス」の発車まで、あと30分ほど。
2カ月前の無念を晴らす時がようやくやってきました。
といっても、実際に発車するまで安心できないというのが正直な気持ちでしたが(苦笑)

全席指定なので焦る必要はないとはいえ、C58がホームに入る姿を押さえておきたくて早めにスタンバイ。
乗車口は階段を降りて左手、羽生方面行きのホームとなります。

10時少し前、専用塗装の電気機関車にひかれて「パレオエクスプレス」が入ってきました。
熊谷駅に方向転換の設備がないため、秩父寄りにある広瀬川原車両基地から熊谷へは後ろ向きでけん引してもらう必要があるというわけです。

小鐵を連れたファミリーやら、懐かしさを求めるご年配やらで、すごい人だかり。

漆黒の固まりが目の前にやって来るや、コーフンは一気に高まります。

あ、運転士さんが手を振ってくれましたよ。

そして、しばしの撮影タイム。

「C58363(シゴハチ サンロクサン)」は、1944年(昭和19)2月19日に川崎車両で製造。
仙山線や石巻線ほか、東北地方を中心に1972年(昭和47)まで活躍していた機関車です。
現役を引退した翌年から吹上町(現・鴻巣市)の吹上小学校に保存されていましたが、1988年(昭和62)に開催された、さいたま博覧会に合わせて車籍を復活し、「SLパレオエクスプレス」として運行を開始。
今年の春に80歳を迎えた、おじいちゃん機関車です。

https://www.chichibu-railway.co.jp/slpaleo/about.html

煙突から吐き出される煙は、そんなおじいちゃんの息づかいのよう。
石炭と油の混ざったにおいが、郷愁を誘います。

側面にも「C58363」のプレート。

運転席まわりに並ぶバルブやメーターも、何ひとつムダがなくウツクシイ。

「SLパレオエクスプレス」出発進行!

「SLパレオエクスプレス」は、C58の後ろに客車4両をひく編成。
艶のあるワインレッドとゴールドのラインの客車は、高級感があります。

では、車内へ。

ワインレッドのボックスシートが、レトロな雰囲気。
木質調の壁ほか、細部も茶系に統一されています。

https://www.chichibu-railway.co.jp/slpaleo/service.html

10時15分、「SLパレオエクスプレス」は、汽笛を鳴らし、ゆっくりと熊谷駅を発車します。

なんだか怪しげなコスプレの見送りに何だろうと思ったら、ローカル戦士センガタンというそうで…。

路線情報

★SLパレオエクスプレス
秩父本線の熊谷駅-三峰口駅間にて運行している、蒸気機関車 (SL) 牽引による臨時急行列車。
1988年(昭和63)に熊谷市で行われた「’88さいたま博覧会」の開催を記念して運行が始まった。
土休日を中心に概ね3月中旬から12月初旬の期間に運行され、冬季は運休となる。
https://www.chichibu-railway.co.jp/slpaleo/about.html

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