4月13日。宇多津から特急で1時間強
難読地名として知られる「大歩危(おおぼけ)」で列車を降りた我々。
目の前に止まっているのは、もしや…。
多度津~大歩危間で運行される観光列車「四国まんなか千年ものがたり」
ホームで出迎えるアテンダントもさまになっています。
2年前の南九州旅では、嘉例川(かれいがわ)駅で特急「はやとの風」に遭遇していた相棒と台湾朋友。
「鐵」目的ではないとはいえ、運の強さにビックリです。
12:48に到着してから1時間半ほど、このホームで折り返しを待つとのこと。
この時間帯だけは駅員も配置され、山あいののどかな駅がささやかな盛り上がりを見せます。
ちなみに妖怪駅長・児啼爺(こなきじじい)は、2011年に就任したのだとか。
改札を出たら、待機しているタクシーで観光遊覧船の乗り場へ向かいます。
このナンバーは、台湾人が一番好きな数字ではありませんか!
アクセス
大歩危駅から橋を渡り、吉野川沿いの国道32号を北へ1kmちょっと。
左手に「大歩危峡まんなか」「舟下り」の看板が目に入ります。
タクシー乗り場にクルマがいなくても、電話をすればすぐ迎えに来てくれるとのこと。
電車旅には心強いです。
渓谷を見下ろすと、列車からも見えた鯉のぼりが一面に。
コレを下から見上げると思うとワクワクします。
では、舟下りへ
乗船名簿に記入してから、カウンターで乗船券を買い求めます。
乗船券は大人1,080円、3歳~小学生540円。
午前9時~午後4時30分の随時運行となっています。
外国からの観光客も多いようで、とくに台湾、香港からはダントツです。
手続きを終えたら、地下から外に出て長い坂道を下っていきます。
このあたりからだと、ひときわ山深い風景です。
待ち構えていた写真屋の撮影にこたえてから、遊覧船に乗り込みます。
船は39人乗りと25人乗りがあり、ライフジャケットの着用が必須です。
我々の準備が整うのを待っていたかのようにエンジンがかかり、遊覧船は川を下り始めました。
船頭のガイドは、ぼくとつとして不愛想でしたが、イヤな印象はありません。
頭上を通り過ぎていく列車に手を振ります。
「四国まんなか千年ものがたり」も見られたらと期待したけれど、タイミングが合わなくて残念。
一帯の渓谷を形成する岩は、砂岩が変成してできた砂質片岩。
砂質片岩でできた分厚い地層が曲がり、浸食されてこの景観が生まれたのだそうです。
どこを見ても、上流に向かって45度に傾いているのがおもしろい。
遊覧船の運行区間で一番深いあたり。
水が澄んでいて、まさに清流です。
ライオンの岩。
写真では分かりづらいですが、ココロのキレイな人にはそう見えるはず(笑)
大股で歩いても危ない、小股で歩いても危ないことから「大歩危」「小歩危」の名が付いたとのこと。
鉄道しかり、国道しかり、これほどのところを切り開くのは並大抵のことではなかったでしょう。
そんな険しい環境でも、木が育ち、花もたくましく咲くのです。
およそ30分のクルージングで乗船口に戻ってきました。
遊覧船に乗る時には気づきませんでしたが、魚もうようよしています。
「ウグイがこんなにでっかいなんて!」
釣り好きの相棒は、竿を出したくて仕方なさそうでした。
上へ戻って来て、台湾朋友はおやつ。
地元産の茶葉をトッピングした、竹炭抹茶味のソフトクリームです。
散策も楽しい大歩危峡
ボンネットバス風の乗合バスにも興味をひかれましたが、時間に余裕もあるし、景色も眺められるからと、駅まで歩くことにしました。
吉野川の流れと間近まで迫る山。
藤川橋の赤色がいいアクセントです。
「ほら、ヤマザクラが咲いている」
振り返ると、先ほどの建物が。
芽吹き始めた新緑との風景も見事です。
大歩危橋を渡れば、大歩危駅。
裏手の急峻な斜面に、へばりつくように家が建っています。
祖谷のかずら橋まではクルマでも15分以上かかるので、代わりに駅のホームのなんちゃってかずら橋でも見ておきましょう(笑)
Google Mapのストリートビューでも確認できた「歩危マート」の2号店。
「ぼけ」なだけに「地場産」と書いて「じーばーさん」と読ませるとはウマイ!
そして、駅に一番近い店でお買い物。
店の中も階段状になっています。
いただきます
15:41発の南風で自由席を確保した後、買ってきた品を開けました。
■すだちワイン(972円)
徳島県産のすだち天然果汁と白ワインを合わせた、口当たりの酔い果実酒。
アルコール度数も8%と低めです。
高松までの夜行バスでまともに寝られなかったこともあり、飲んだ早々に眠気が襲ってきました。
高知までは1時間弱。
終点で乗り過ごす心配もないことだし、おやすみなさい…。
スポット情報
★大歩危峡観光遊覧船
三好市山城町西宇1520
0883(84)1211
https://www.mannaka.co.jp/restaurant/excursionship/excursionship.html
★祖谷渓タクシー
https://iya-taxi.jp/