3月18日。降り立ったのは、空港エリアを過ぎてすぐの坑口站
桃園捷運が開通して初めての台湾。
乗り鉄とともに、沿線の寄り道も楽しみにしていたのです。
桃園の観光サイトによると「彩繪村」なるものがあるそうで…。
まずは駅構内の地図で場所を確認。
坑菓路をまっすぐ行けばよさそうです。
駅を出ると、聞こえるのは鳥の鳴き声だけ。
捷運が通るまでは、ただただのどかな場所だったのでしょう。
前方には「坑口彩繪村」の案内表示も見えますね。
この一帯は、大古山休閒農業區に指定されているようです。
坑菓路を歩きはじめると、台湾っぽくないオシャレな風景。
クルマや原付もめったに通りません。
と、エンジン音が聞こえ、一機の飛行機が行き過ぎていきました。
空港に近いとはいえ、こんな低いところを飛んでいるなんて!
東南アジアのもっと南の国に来たんじゃないかと思うような風景。
3月中旬に田植えということは、二期作なのかな。
えらくモンシロチョウが飛び交っていると思ったら、目の前はキャベツ畑。
ワイルドな手入れっぷりが、むしろ生命感を感じさせます。
路上の八百屋。
ホームレスの住処のごとく散らばったカートンや段ボールに、見てはいけないモノを見てしまったような気分になりましたが、並んでいる野菜はフレッシュです。
おばさんに気づかれないよう、少し離れたところからパチリ。
坑口站を出てから10分ほどで道が大きく左に曲がり、その先に廟が見えました。
この廟の脇が彩繪村の入り口。
コチラが案内図です。
壁画があるのはまだ先だというのに、スマホで自撮りしたり、カメラで写真を撮りあっている台湾人がそこかしこで見られます。
台湾人は、老いも若きも写真に撮られるの大好きだからなぁ…。
おっ、あれがウェブサイトに載っていた壁画でしょうか。
かつての農村風景を描いた壁画に、牛の銅像まで建ててしまった本格派。
牛との撮影は、次の人を待たせないのがスマートです。
少し外れた場所でも撮影会絶賛開催中。
路地側に描かれた鳥や農機具も、いい雰囲気です。
かと思うと、イマドキなミニオンズ。
著作権は、おそらく無視と思われます。
壁画がないところには、ヤギやパンダの置物が置かれているし…(苦笑)
でも個人的には、壁画も置物もないこういう風景のほうが絵になるように感じます。
一帯をあげて、壁画で村おこし。
以前と現在の様子を比較するパネルもあります。
壁画の脇でひっそりと営業する屋台も。
しかし、足を止める人はありません。
昔の屋台と美容院を描いた壁画の前では、カップルが三脚を立ててああでもない、こうでもないと…。
路地に入ると、突如厨房が出現。
実際の煙突につながるようかまどが描かれています。
ポストや自転車も壁画。
外水道の蛇口に合わせて描かれた井戸に、なるほど~と。
この後、ひと駅先まで行けばつまみ食いできるところがあるようだしと、坑菓路を先に進み、海山路を右に折れました。
しかし、歩いている人は皆無。
彩繪村のにぎわいがウソのようです。
1軒の教会を見つけて近づくと、そのまわりにも壁画が。
西洋の農村を思わせる風景です。
こういう絵は、彩繪村にはなかったタイプ。
これらの壁画は教会ではなく、隣の工場のモノのようです。
この道沿いには、他にも工場らしい建物が点々と。
コチラの工場の壁画には、台湾の日常を切り取ったような風景が描かれています。
捷運の駅を示す看板を右手に認め、次の駅にはまだ距離があるのに…と思った矢先、前方に「鐵」な気配を感じました。
道路部分のレールは撤去され、フェンスで出入りを阻まれてはいますが、間違いなく廃線となった駅。
ノスタルジックな感情が沸きあがり、この光景を写真に収めずにはいられなくなりました。
どこからどこまでを走っていた列車だったのだろう?
いつまで現役だったのだろう?
答えてくれるはずはないと分かっているのに、赤さびたレールに語りかけてしまいます。
ホームの駅名表示はスゴイ色になっていましたが、文字がはっきりしていることから、廃線はそれほど昔ではないように見受けられます。
駅の間隔は意外と短かったようです。
ホームに腰かけ、並走する道路を走っていくクルマを眺めます。
やはりクルマに役割を取って代わられたということでしょうか。
足元の痛がゆさに気づいて見ると、ひっつき虫がソックスにビッシリ。
哈哈哈、いい年をしてやっちまいましたなぁ…^^;
隣の駅まで歩くのは、その場で断念。
脱いだソックスを手に、ひたすらひっつき虫退治をしながら坑口站までの道を歩いたのでした(苦笑)
★坑口彩繪村
桃園市蘆竹區坑菓路および海山路
https://travel.tycg.gov.tw/zh-tw/travel/attraction/982
★桃林鐵路(林口線)
1968年1月1日~2012年12月31日(旅客営業は2005年10月28日~2012年12月28日)に18.4kmの区間で運行
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9E%97%E5%8F%A3%E7%B7%9A