8月18日。朝8時20分のほくほく線で越後湯沢を後にします
観光列車や駅構内での唎き酒といったメーンイベントを終え、もはやココからは消化試合。
海側をぐるりと回ってきた往路とは異なり、トンネルがちにショートカットするルートでは、車窓からの風景も期待できそうにありません。
ほくほく線の「DAICHI」と、えちごトキめき鉄道の「雪月花」
そんななかでわずかに気分が上がったのは、カラフルなラッピング列車。
日本有数の豪雪地・越後妻有で開催される世界最大級の国際芸術祭「大地の芸術祭」に合わせて昨年運行を開始した「DAICHI(だいち)」です。
ベースは既存車両のHK100形の2両編成。
クロスシートで座り心地がいいし、スピードもかなり出ています。
「こんな山のなかに、よくこれほどの高速鉄道を通したものだなぁ」
新潟といえば、良くも悪くも名を遺した首相、田中角栄のおひざ元。
「お金があるから」と皮肉のひとつもいいたくなります。
色付きかけた田んぼのなかをビュンと走り、
1時間ほどでほくほく線の終着駅、犀潟に到着。
直江津までのわずかふた駅を、JR信越線に乗り換えます。
直江津では「雪月花」と遭遇。
銀朱色と呼ばれる赤色+紫、ゴールドでまとめられた車両が、高貴な雰囲気です。
車窓からの風景はもとより、車内のいたるところに施された意匠、こだわりの地元食材を生かした一流の料理、アテンダントによるおもてなしと、上越の誇りを凝縮したえちごトキめき鉄道のリゾート列車。
昨日「ゆざわShu*Kura」に乗り合わせた台湾人一行から聞いてその存在を知りましたが、海外から乗り鐵だけのために訪れるにも十分な価値なのも分かる気がします。
新潟県最後の区間は、エチゴビールとともに
えちごトキめき鉄道 妙高はねうまラインに乗り換え、新潟県最後の区間。
ガラス越しに照り付ける太陽があまりに暑く、たまらずおみやげにするつもりで買ったビールを開けました。
表面のとっぴー・きっぴー、レルヒさんをはじめ、上越忠義隊けんけんず(上越市)やら、ブリカツくん(佐渡市)やら…。
新潟のご当地キャラクターも百花繚乱の様相です。
「同じ新潟の米を使ったアルコールなら、ビールのほうが口に合うなぁ」
あっ、やっぱりそう思った?
そして上越妙高では、向かい側のホームに「ゆざわShu*Kura」が。
ちょうど24時間前にココを出発したんだなぁと、不思議な気持ちで見送ります。
乗換案内によると、妙高高原で1時間近い待ちとなるところでしたが、10:43発の列車に滑り込みで乗り換え。
長野から先も1本早い列車に乗れるかと期待しましたが、あいにく乗り換えられる列車は変わらないようです。
でも、同じ1時間の待ちなら、妙高高原より長野のほうがダンゼンありがたい。
「じゃぁ、行きますか」
相棒とニヤリと笑います。
路線情報
★ほくほく線(北越急行)
六日町(南魚沼市)~犀潟(上越市)の12駅・59.5kmを、1両または2両のワンマン列車で運行。
上越線・越後湯沢駅、信越線・直江津駅まで直通運転する列車も多い。
https://hokuhoku.co.jp/
★えちごトキめき鉄道 妙高はねうまライン
直江津(上越市)~妙高高原(妙高市)の10駅・37.7kmを、主にET127系電車で運行。
https://www.echigo-tokimeki.co.jp/
★しなの鉄道 北しなの線
妙高高原(妙高市)~長野(長野県長野市)の8駅・37.3kmを、115系ワンマン列車で運行。
https://www.shinanorailway.co.jp/