やっているのは昼間だけ。酔い出逢いも楽しめる日本酒パブ 【The SAKE PUB(松本市)】

11月10日。電車で松本の街へ出てきたのは、この店を訪ねるためでした

「繩手のあたりに、昼から飲める日本酒の店ができたんだって」
しかも、全国各地の日本酒を取りそろえる店と、信州の地酒に特化した2店。
今回訪れたのは、後者の「The SAKE PUB」です。

アクセス

繩手通りの東端を北に折れ、上土の通りに入ってすぐ右手。
入り口は木製の引き戸で中の様子はうかがいづらいですが、窓辺に飾られた酒瓶が品ぞろえの豊富さを語っています。

店内の様子

入って真っ先に目を引いたのが、昔ながらのレコードプレーヤー。
艶やかな女性ボーカルもワタクシ好みで、このマスターとは気が合うに違いないと直感しました。

およそ半年前のオープンから日々磨き続けている一枚板のテーブルも、少しずつツヤを増してきたところ。

壁に飾られた「信濃の国」の額や、枡で長野県をかたどったモチーフからも、信州への愛が伝わってきます。

メニュー

一応メニューはありますが、その時の入荷からマスターがおススメをピックアップしてくれます。

そして、それぞれのお酒に対してマスターが語るうんちくやエピソードの豊富なことといったら。
とうてい記録しきれなかったので、気になる人はぜひお店に足を運んでみてください(笑)

いただきます

■特別純米 一滴二滴(900円)、川中島 幻舞(1,100円)
枡にセットされているグラスは、安曇野のアートヒルズでつくられているモノとのこと。
これだけキレイな器にめいっぱい注いでくれるなら、一見強気な値段も妥当に思えます。
最初に口にしたのは、長野市の酒千蔵野(しゅせんくらの)がつくる「川中島 幻舞」の無濾過生原酒。
女性杜氏が守り続ける信州最古の酒蔵でつくるお酒は、フルーティーで口当たりがよく、女性好みを意識しているようにも思えます。
http://www.shusen.jp/

一方の「一滴二滴」は、北信・中野市の志賀泉酒造の品。
渋酸っぱさが後口に残って、万人受けを狙わないところが気に入りました。
https://shigaizumi.jp/

おつまみを頼むのは、お酒をひと通り味わってから―。
そう思っていたら「これからお通しを用意しますから」といって、ワサビ菜の小鉢が出てきました。
「Freeです」と念押しするのは、外から来た人が不審がられるからとのこと。
にしても、ワサビ菜がお通しだなんて、信州ならではのゼータクです。

■冷奴(400円)
幻舞、一滴二滴に合うおつまみとして選んだのは冷奴。
松本市の北のはずれ、富成伍郎商店の豆腐だと聞いて、思わず「あぁ、あそこですか!」と声を上げました。
豆乳が香り、チーズにも負けないコクと食べごたえ。
朝一番でつくる豆腐は午前中のうちに売り切れてしまうというのもうなづけます。

冷蔵庫の中の瓶をチェックしていたマスターから、残りわずかになった、すんきでつくった甘酒をサービスしてもらいました。
すんきとは、木曽地方で食べられている乳酸発酵による漬物。
それから分離した植物性乳酸菌を使った甘酒です。
ベジそのもので、アルコール分もゼロ。
甘味が強いのにサラッとしています。
これぞまさに、飲む点滴。
http://shop.nakanorisan.com/?pid=143772808

■黒澤 963(800円)
「クラシカルなお酒」とリクエストして出してもらったのは、黒澤酒造の純米原酒。
アルコール度数は13%と若干低めです。
生酛だと聞いて個性の強さを期待してしまったけれど、意外とおとなしめ。
ほどほど酔い気分になっていたこともあってか、それほど印象には残りませんでした。
https://www.kurosawa.biz/

普段から欧米系のお客さんが多い店だそうですが、この時は我々日本人のほうが異邦人なのではないかといった状態。
カウンターもだいぶ埋まってきたところで、ちょこちょこと言葉を交わしていた常連さんの隣に移動しました。
各地の日本酒イベントや飲み比べができるスポットに足を運んだ話をお聞きするなか、「最近は電車で旅をしてご当地の日本酒を味わっている」と話したら、飲み鐡の話で盛り上がるのなんのって。
さらにお話をお聞きすると、元国鉄にお勤めだったことも分かりました。

そんな常連さんに分けていただいた隠し酒。

■白馬錦 白馬八方 黒菱(Priceless)
白馬錦と聞いて、エディター時代にお世話になった先生が好きだったお酒だと懐かしく思い出しましたが、ツウの方々からは大衆向けとしてあまり評価されない銘柄だそうで…(汗)

白馬ブランドの新しい日本酒をつくろうと、長野県で新しく開発された酒造好適米である山恵錦を白馬村で栽培。
白馬錦の蔵元である薄井商店に醸造を委託して生まれたのが、この「白馬八方 黒菱」なのだそうです。
完成にいたるまでは、田植えや稲刈りといった体験ツアーも開かれたとのこと(詳しくは → コチラ

旨味の実直さといい、その残り加減といい、かなりワタクシ好み。
ツウの方々からも「白馬錦、やればできるんじゃん」という評価を得ているのだとか。

にしてもこの常連さん、お酒にも明るければ、お店にも通じているし(もちろん「鐵」の話も)で、話をしていてホントに楽しい。
またご一緒したくて、この店を訪ねてしまいそうです。

店舗情報

THE SAKE PUB
ジャンル:居酒屋
アクセス:松本電気鉄道上高地線松本駅お城口(東口) 徒歩12分
住所:〒390-0874 長野県松本市大手4-3-15(地図
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情報掲載日:2019年11月10日

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