クリスマスは「はしご鐵にはしご酒」で 2章8節「居酒屋あめつち 後編」

12月23日。観光列車あめつち、お楽しみは飲み食いだけではないのです

「おひとつどうぞ」
アテンダントがおみくじを持って席へ回ってきました。
おみくじを信じる気はないけれど、話のタネに引いてみましょう。

開いてみると書かれているのは「吉」とか「凶」ではなく、日本神話の登場人物。
縁の下の力持ちとして、頼られる存在―。
自分がそうありたいと願う姿が書かれてあるのは、ひそかにうれしいものです。

続いて車掌が検札に回ってきて…。
えっ、18きっぷ使えないんですか!?

「みどりの窓口の人が使えるといってたんですけど…」と食い下がってみましたが、ダメでした。
松江~鳥取間、ふたりで4,540円也。
出雲市までで18きっぷの元は取ったし、クレジットカードが使えたので、よしとするしかないですね。

車窓からの様子

一方、車窓からの風景はというと、結露で窓ガラスがびしょびしょになってこのありさま。
一応、コナン列車なのですが…。

海側の窓は比較的まともでしたが、天気も悪く、時折入る場所説明のアナウンスもピンときません。

条件に恵まれれば、このポストカードのような風景が見られるのでしょうが。

御来屋(みくりや)駅の駅舎は、1902年開通当時のもので山陰地方で最古とのこと。
通過待ちで停車するんだったら、ドアを開けて撮影の時間を取ってくれてもいいものなのに。

車内の様子

松江駅を発車してから1時間強。
居酒屋も店じまいとなったところで、車内散策に出ました。
バックに写っているのは神楽刺繍。
岩見神楽衣裳を象徴する龍と渦巻きに、日本海の荒波と千鳥、たなびく八雲、風に舞う松葉を取り入れ、山陰の風情を表現しています。

ベースは1970年代後半から1980年代前半にかけて製造された、キロ47形気動車。
どおりで、2018年改造とはいえ、年季が入っているように感じるわけです。

岩井窯(鳥取県岩美町)を使った洗面台。
大胆かつ美しい模様は、釉薬を含ませた刷毛を器に打ち付ける「打掛け」という技法によるんですって。

2号車に入ると、山側に物販カウンターがあり、

山陰のお酒(お値段はかなり強気)や

車内限定販売のオリジナルグッズが販売されています。

1号車の照明は青と黄色でしたが、2号車は赤と緑。
山側がふたりテーブル、海側が4人テーブル+カウンターという座席の配置は同じです。

雨降るなか、列車は淡々と走っていきます。

ほどなく夕暮れを迎え、

午後5時を回ると、外はすっかり真っ暗になりました。
相棒は独特の揺れと飲み疲れがこたえてひと寝入り。
乗客の表情にも退屈さがうかがえます。

そして、定刻の17:36に鳥取駅に到着。

暗い中で見ても、深い青のカラーリングは貫録が感じられます。

改札に向かう途中で目に飛び込んできたのは、世界最大の傘踊り「鳥取しゃんしゃん祭」で使われる大きな傘。

撮影用の枠とフォトプロップスがあったので、

撮ってみました。
あっ、TWITTERのロゴが鳥じゃなくてウサギになってる(笑)

かと思えば、Instagramは「Nostalgic San’in」だし、Youtubeは「You Tottori」だし(笑)

階段を降りて振り返ると、階段の蹴上がりも「あめつち」

山口を出発して、およそ12時間。
本日の乗り鐵はこれにて終了です。

改札脇のホワイトボードには、イラスト入りのかわいらしいメッセージが。
ひとりひとりにとってステキなクリスマス、そして新年となりますように。

路線情報

★観光列車 あめつち
鳥取~出雲市間を1日1往復運行
全席指定(グリーン席)
定員59名
https://www.jr-odekake.net/navi/kankou/area_tottori/ametuchi/
https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/1127426.html

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