名古屋・三重むしゃむしゃ修行 Act3「日本で一番長い●●●●●●に乗ってみた」 【三岐鉄道北勢線(桑名市~いなべ市)】

1月26日。カキをたらふく食べた後にやって来たのは

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近鉄名古屋線、JR関西本線、養老鉄道の3路線が乗り入れている桑名駅。
鐵分を補給したがっていた相棒が選んだのは、JRでも養老鉄道でもなく、三岐鉄道北勢線でした。

三岐鉄道北勢線の始発駅となる西桑名駅へは、改札を出ておよそ200m。

駅まではまだ少しあるというのに、線路が目に入ると近づかずにいられませんでした。
線路の終わりって、どうしてこうも絵的なのでしょう。

コチラが三岐鉄道の西桑名駅。

三岐鉄道北勢線は、西桑名から阿下喜(あげき)までの13駅、約20kmを48分で結ぶ路線。
よくあるローカル線と思いきや、「鐵」にはたまらない魅力を持った路線だというのです。

というのも、日本で3カ所しかないナローゲージ!
といわれても、「鐵」じゃない人には何のことやらさっぱりでしょう。

ざっくりいうと、日本で一般的な鉄道のレールの間隔はJRの在来線に代表される狭軌(1,067㎜)と、新幹線や近鉄に代表される標準軌(1,435㎜)の2種類。
(写真は昨年6月に訪れた、リニア・鉄道館)
ナローゲージでは、その幅が762mmと、新幹線の半分しかない特殊な路線なのです。

そんなナローゲージのなかでも一番長い距離で営業している三岐鉄道北勢線。
そう聞いたら、相棒のコーフンもお分かりいただけるかと。

初乗り運賃は170円。
自動改札ですが、SuicaなどのICカードは使えません。

自動券売機がないので、切符は窓口で購入します。
列車そのものが見どころになっていることもあり、オリジナルグッズの充実度はなかなかのものです。

早めに改札をくぐって、ホームへ。
こうやって見ても、レールの幅の狭さは明らかです。

さぁ、日本で一番長い距離を走るナローゲージの列車が入ってきました。
確かにちっちゃい!

乗り降りする人たちと比べると、その小ささがよく分かります。
列車は小さくても、架線の高さは確保されなくてはならないため、パンタグラフが異様に大きいというのも特色です。

車内で、身長150cmちょっとのワタクシが手を広げるとこんな感じ。

列車は3両編成。
ロングシートのお向かいさんとの距離は、普段乗る列車のボックスシートよりわずかに余裕があるくらいでしかありません。
それにしても、この時間帯でこんなにお客さんが乗っているとは思わなかったし、その多くが「鐵」ではなくフツーの人。
三重県はまだまだ鉄道が元気なんだと感じます。

いただきます

桑名駅構内のコンビニで買ってきた品を出して「居酒屋北勢線」とまいりましょう。

事前に調べた、青雲純米酒「北勢線応援酒」は手に入りませんでしたが、

■三重の寒梅(349円)、■イセ野カツオ(290円)
三重の寒梅は、四日市市・丸彦酒造の銘柄。
イセ野カツオは、間違いなくネーミングの勝利だと思います。

軌間が広いほうが安定性が高いという理屈からすれば、ナローゲージが揺れるのは分かっていることでしたが、これが冗談じゃないくらいに揺れる!
カップ酒はプルタブを倒したすき間からすすらないと、数口分を床に飲ませてしまうことになりかねません。
まろやかで優しいお酒だけに、もったいないことをしてなるものかと、ふたりして真剣です。

車窓からの様子

最初の停車駅、馬道(うまみち)
屋根壁と一体化した木の腰かけがいい風情です。

桑名市最後の駅、七和(ななわ)にさしかかるころから雪が舞いだし、穴太(あのう)あたりからは本格的な降り。

東員(とういん)では半分以上の乗客が下車。
西桑名行きの列車と行き違います。

楚原(そはら)では、レトロな車両と行き違い。

スピードは早くないにもかかわらず、音のリズムは木曽路を走る普通列車並み。
レールの継ぎ目の間隔が短いようです。

終点の阿下喜に付いた時にはすっかり雪。
三重はいつの間に雪国になったんですか?(爆)

ココまで乗ってくるお客さんは、ほぼ「鐵」目的のようです。

相棒の大好物、転車台も。

阿下喜駅の敷地内にはレトロな車両が展示してあったり、ナローゲージのさらに半分の軌間の電車に乗ることもできるそうですが、この天気の中ではそんなコトは頭からすっかり抜けてしまっていました。

しかし、我々は次へ行かねばならないのです。

員弁(いなべ)川に架かる橋を渡り、

立派なお寺の脇を通り過ぎ、

15分ほど歩いたところで線路が見えてきました。
コチラはフツーの狭軌です。

三岐鉄道三岐線、伊勢治田(いせはった)駅。
コートも帽子もすっかり雪まみれですが、遭難することなくたどり着けて、とりあえずひと安心です。

コンビニさえない駅前。
自販機のスープで暖をとり、

窓口で切符を買い求めます。

三岐鉄道三岐線で販売している切符は、すべて硬券。

鋏を入れているところをカメラに収めそこなったのと、乗り越し精算でうっかり回収されてしまったのが、ちょっぴり心残りです。

時間を見てホームに上がると、近鉄富田行きの列車が入ってきました。

北勢線に比べれば、その広さは一目瞭然。
それでも結構縦に揺れました。

ナローゲージと狭軌でぐるりとめぐって、近鉄富田駅へ戻ってきたのは16:00ちょっと過ぎ。
すっかりカラダが冷えてしまったことですし、とりあえずお宿へ向かうとしましょう。

路線情報

★三岐鉄道
(北勢線)西桑名~阿下喜の13駅、20.4kmで運行
(三岐線・近鉄連絡線)近鉄富田~西藤原の15駅、26.5kmで運行
※三岐線の富田~三岐朝明信号場は貨物のみ営業区間
https://www.sangirail.co.jp/

店舗情報

★後藤酒造場
桑名市赤尾1019
0594(31)3878
http://www.sake-seiun.jp/

★丸彦酒造
四日市市川島町1863-2
059(321)3111
http://www.mienokanbai.jp/

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