10月31日。友、江戸ヨリ来タル
10月最後の週末、ブログにもしばしば登場するゴスペルつながりのSちゃんが信州へ遊びに来てくれました。
親族をたどれば北信がルーツということもあり、機会をつくっては信州に足を運んでいた彼女。
「コロナ中おとなしくしていたけれど、もう限界!」
前々から「遊びにおいでよ」と誘ってはいましたが、あずさが5割引で利用できるのも後押しになり、トントン拍子で話が決まったのです。
長野周辺へはよく行っているSちゃんでしたが、白馬方面は初めて。
オリンピック道路で北に向かい、仁科三湖からジャンプ台、大出の吊橋…。
お天気にも恵まれ、紅葉の季節の北アルプスを満喫できました。
じゃぁ、お昼ごはんに行きましょうか。
アクセス
大町市美麻の新行地区は、昼夜の寒暖差と北アルプスの冷涼な水が育む、そばの名産地。
いまだに合併前の美麻村と呼んでしまうのは、ワタクシだけではないと思います。
白馬方面からは県道33号を経由し、美麻郵便局の角から県道31号(長野大町線)へ。
その先に看板はありますが、うっかりしていると通り過ぎるので、Google Map併用が安心です。
我々の目に飛び込んできたのは、広い駐車場を埋め尽くすクルマと、
店の前に並んで待つ人々。
その半分近くは首都圏からと思われます。
いつの間に、新行のそばがこんなに有名になったんだろう…。
店先のウェイティングリストには、ゆうに10組を超える名前が記されていました。
「どうする?」
地区内に他のそば屋もあるとはいえ、待たずに済む保証はないことだし、そのまま待つとしましょう。
コロナ禍の今、毎年恒例のそば祭りもご多分に漏れず中止。
高齢化が著しい集落で、感染者が出た際のリスクも大きいとあって、感染防止対策に非常に神経をとがらせていることがうかがえます。
我々が待っている間にも、やってくる人たちは絶えず、
この日の受付はいったん終了。
よかった、間に合って。
店内の様子
40分ほど待って、ようやく名前が呼ばれました。
手指の消毒も忘れずに。
大広間をふすまで区切った、昔ながらの民家。
広間は奥まで続いていて、思ったよりも広そうです。
鴨居の上には、サイン色紙がびっしり。
その多くは「誰?」と思うような人でしたし、年季も入っていましたが。
そば茶や水はセルフサービス。
部屋の奥に目をやると、ガラス戸のなかには長野オリンピックにちなんだ品が飾られています。
四半世紀近くが経った現在も、この地にとって長野オリンピックは忘れられない思い出なのでしょうね。
メニュー
地粉を使ったそばは、冷たいのと温かいのと。
温かいそばを冷汁でいただく、釜揚げそばが目新しく映ります。
天ぷら系はありませんが、温そばのトッピングに使われているきのこや身欠きにしんは、単品で頼むこともできます。
限定メニューには、鴨のつけ汁そばや長芋のしそ漬、山菜皿も。
箸休めに出してくださる野沢菜が、またココロ安らぐ味なのです。
いただきます
■釜揚げそば(900円)
新そばに代わったこの時期、「温かいのでよろしいですか」と念押しされましたが、冷たいそばは寒いかなと。
ゆで汁を満たした桶から、温かそうな湯気が立ち上ります。
「伸びちゃうから、早く早く」
では、お先に。
つけ汁が冷たいので、さっとくぐらせる程度にするのが温かさを生かすコツ。
そばの香りがクリアに感じられる冷たいそばとも、つけだれの味の影響が出る温かいそばとも違う、不思議な感覚です。
そば粉の状態に応じて比率を変えているそうで、この時期はそば粉9:小麦粉1くらいの割合なんですって。
■かものつけ汁そば(1,400円)
Sちゃんが頼んだ、かものつけ汁そばに
■きのこそば(1,100円)
相棒のきのこそば。
キノコから出るぬめりもイイし、ミツバの香りもイイ。
コレはジコボウかな。
■そばの薄焼き(800円)
イメージしていたより厚手で、ホットケーキよりもっさりした感じだけれど、そんな素朴さがネギの入った甘味噌とよく合います。
上品なだけのそば屋と違って、量もたっぷり。
1時間近く待った甲斐がありました。