10月20日。相棒のリクエストで総武線に乗って東へ
やって来たのは両国駅。
「駅舎の雰囲気が台南と似ているねぇ」
台南の現駅舎は1936年、両国駅は1929年と、どちらも日本統治時代の建物です。
そんな駅舎をリノベーションし、2016年に「粋な江戸の食文化を楽しむ」をコンセプトに誕生したのが「江戸NOREN」
アクセス
JR両国駅西口を出て、右へすぐ。
国技館や江戸東京博物館、すみだ北斎美術館などと合わせて楽しめる、両国の食スポットです。
館内の様子
足を踏み入れると、何やら張り詰めた空気と人だかりが。
まさかホンモノの土俵で、ホンモノのお相撲さんがいるなんて。
また、観客たちが立っていた足元には、江戸時代初期に使われていた二重土俵が描かれています。
そんな土俵を取り囲むように町屋風のお店が10軒。
我々のお目当ては、江戸・東京にあるすべての酒蔵の日本酒をセルフスタイルで利き酒できる「東京商店」です。
「立ち飲みできます」と書かれためくりも、酔いじゃありませんか。
物販コーナーを抜けて進むと、4畳ほどのスペースに自動販売機が3台並んでいます。
コチラからおちょこを取ってセットし、
100円硬貨を入れて、飲みたいお酒の番号のボタンを押すというシステム。
純米酒が各200円、吟醸酒が各300円、大吟醸酒が各400円という値段設定になっています。
メニュー
さて、それぞれの財布から100円硬貨をテーブルに広げて作戦会議。
おいしく飲むにはおつまみも不可欠です。
自販機の日本酒のほかにも、梅酒やどぶろく、リキュールなどはレジで販売。
生ビールサーバーから、TOKYO墨田川ブルーイングのクラフトビールを味わうことができます。
いただきます
しかし、ココへ来たからには日本酒を。
我々が好きな純米酒からまいりましょう。
八丈島くさやチーズ(400円)とともに、トレーのくぼみの数に合わせて3種類。
同じ自販機形式でも、8月に訪れたぽんしゅ館に比べるとおちょこは大ぶりです。
量にいささかバラつきがあるけれど、そんなユルさも味のうち。
さっそく左から飲み比べていきましょう。
■中村酒造 千代鶴 特別純米 ひやおろし(あきる野市)
オレンジ色とクリーム色のラベルには、子どもが書いたような筆文字。
「純米酒おすすめ!」とあったのも、相棒の関心をひいたようです。
旨味とは違う、渋味のようなクセを感じるお酒。
魚の干物とかキノコおろしが合いそう。
https://www.chiyotsuru.jp/
■野崎酒造 喜正 純米酒(あきる野市)
コチラもあきる野市のお酒。
口にした時には味を感じませんでしたが、後から甘みとほのかなフルーティーさが広がります。
合わせるなら、春菊のゴマ和えのような少しワイルドな香りのあるモノ。
ぬる燗にするとまろやかになって、より味わいやすくなります。
http://www.kisho-sake.jp/
■多満自慢 純米無濾過(福生市)
ワタクシが好きな純米無濾過。
口当たりがよくデザートにもいけそうな危険なヤツです。
あと口にわずかな酸味。
塩とか味噌とかもろみとかで、シンプルに楽しみたい。
http://tamajiman.co.jp/product/sake.php
■嘉泉 特別本醸造 ひやおろし(350円)
純米酒3種からの第2ラウンドは、価格帯をワンランク上げて吟醸酒にしましょうと。
一方で壁にはられたおすすめ品も気になって、レジで注文しました。
自販機用よりもひと回り大きいおちょこにたっぷりと90ml。
並べてみると、大きさの違いは明らかです。
酵母系のクセの奥に旨味があって、ビギナー向けとはいいがたいお酒。
お酒に負けないクセのあるおつまみという点で、くさやチーズはヒットです。
http://www.seishu-kasen.com/
■国技館焼鳥 2本(350円)
加えて、あの名物を。
「国技館の地下に秘密の工場があるって、知っとった?」
相棒の冗談を受け流しつつ、モモと皮、1本ずつをバラしてつまみます。
味がしっかりなじんでいるから、冷めてもオイシイ。
■野崎酒造 喜正 純米吟醸(あきる野市・300円)
同じ銘柄の純米酒と吟醸酒の違いを比べてみたいと、先ほど唎いた「喜正」で。
スッキリとした辛口には、脂がのったお刺し身や海産系の天ぷら、佃煮など、おつまみ自体にパワーが必要な気がします。
純米酒とは対照的に、お燗にはしないほうがいいみたい。
■豊島屋酒造 金婚 純米吟醸 ひやおろし(東村山市・300円)
「おめでたい名前だから」と相棒が選んできた銘柄。
コチラも「吟醸酒おすすめ!」と書かれています。
純米吟醸らしく、とてもフルーティー。
といっても、新潟のお酒のようにすっと消える感じはなく、あと口も楽しめます。
http://toshimayasyuzou.co.jp/
■東京港醸造 江戸開城 純米大吟醸原酒(港区・400円)
我々が東京の日本酒に興味を持つきっかけとなった、23区唯一の酒蔵、東京港醸造の「江戸開城」
ほど酔い気持ちになってきましたが、コレを飲まずしては終われないとフンパツしました。
江戸の人が愛した「粋で華やか」を表現したような、クリアでフルーティーな味わい。
信州人にもなじみやすいお酒です。
鶏ハムもいいし、塩や柚子胡椒を効かせて焼いた鶏肉もイイ。
ワサビ漬けでチビチビやるのも粋だろうなぁ。
http://tokyoportbrewery.wkmty.com/
「信州の日本酒も個性があると思っているけれど、東京の日本酒もそれぞれ個性的でおもしろいなぁ」
全国各地の杜氏が集まっていることもあるのでしょうが、それ以上に全国からオイシイお酒が集まる地で残っていくためには、他にないモノをつくっていく必要があったのでしょう。
今回試せなかった銘柄は、またの機会に。
店舗情報
東京商店
ジャンル:居酒屋
アクセス:JR総武線各停(御茶ノ水-錦糸町)両国(総武線)駅西口 徒歩1分
住所:〒130-0015 東京都墨田区横網1-3-20 両国 江戸NOREN 1F(地図)
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情報掲載日:2019年10月20日