秋の味覚と鐵分補給 in 2023 2章2節「一畑電車 大社線と日本最古級の電車」

9月30日。チェックアウト後、朝活へ

この日のメーンイベントの前に2時間半ほどの空き時間ができたので、フロントに荷物を預けてお出かけすることにしました。

ホテル北側のエントランスを出たら、電鉄出雲市駅はすぐ目の前。

クリスマスは「はしご鐵にはしご酒」で 2章5節「居酒屋ばたでん」

一畑電車(ばたでん)は、2018年冬の乗り鐵旅でも利用した鉄道ですが、

今回は大社線を利用し、出雲大社への往復です。

キャッシュレス決済が使えるようになりました

およそ5年ぶりの再訪における画期的な変化は、キャッシュレス決済が利用できるようになったこと。
とはいえ、自動改札機はないので、券売機できっぷを買わなくてはなりませんが。

出雲大社までの往復券は1,000円。
「ゆき」と「かえり」の乗車券の違いは、三角形が上向きか下向きかだけなので、見間違えそうになります。

「そういえば、前に来た時って硬券じゃなかったっけ?」
それも時代の変化ですかね。

「これより7時32分発、松江しんじ湖温泉行きの改札を開始します」
アナウンスとともに、待合室にいる人たちがホームへと向かいます。

まずは、北松江線で川跡(かわと)へ

入線していた車両は、白地にオレンジのアクセントの2100系。

昭和43年に製造され、京王電鉄の5000系として活躍していた車両を平成7年に導入。

京王電鉄(1,372mm・馬車軌間)と一畑電車(1,067mm・狭軌)では線路の幅が異なるため、東京地下鉄から購入した台車と合わせて使用しています。
そういわれると、車内スペースも少し広いような気がしますね。

また、自転車を置くスペースもあり、

一日フリー乗車券をもっていれば、1回320円の自転車持ち込み料金が終日何回でも無料。

さらに、2両編成の一畑口寄りは、島根県産木材を使用したテーブルとひじ掛けの付いた2人がけソファー型シートとなっています。
宍道湖を眺めながらの飲み鐵なんて、サイコーじゃありませんか。

大社線に乗り換えて、出雲大社前へ

4駅8分で川跡に着くと、向かいのホームに電鉄出雲市行きの電車が停まっていました。
ゴールドのヘッドマークを付けた5000系(5110号)は、前回、松江しんじ湖温泉へ行く時に乗った車両です。

乗り換えのために踏切を渡ります。

手前の電車もカラーリングは違いますが、京王電鉄からのお下がりの2100系。

折り返しで7:43発の出雲大社前行きとなります。

この時間帯だと、出雲大社観光へ行く人より部活動の学生のほうが多いんでしょうね。

川跡からの大社線は、出雲大社前までの5駅、8.3km。
田んぼが続くなか、松本空港に隣接するやまびこドームにそっくりなドームが現れたのにはビックリでした。
 
出雲ドーム:https://www.kankou-shimane.com/destination/20882

そうこうしているうちに、電車は終着駅へさしかかります。

大社線、完乗。
前回、松江しんじ湖温泉駅まで乗り通したのと合わせて、一畑電車全線制覇を果たしました。

乗ってきた車両は、そのまま川跡行きに。
この短い区間をひたすら往復しているんでしょうね。

改札までの間も、木の柱と梁がイイ風情です。

壁際の足元には、電化開設当時から現在までの3種類のレールがひっそりと置かれてありました。

改札を抜けると、日本を代表する神社のおひざ元とは思えないモダンな洋風建築。
アーチ形の高い天井と、ステンドガラス風のカラーガラスが教会を思わせます。
こんなところで歌ったら、さぞかし気持ちイイだろうなぁ。

国の登録有形文化財(1996年12月)や、近代化産業遺産(2009年2月)にも登録されている建物。
旧国鉄大社駅(国重要文化財、2025年12月まで保存修理工事中)が和風の神殿を模したつくりであるのに対抗して、この様式になったというのも興味深い話です。

日本最古級の電車、デハニ50形

さて、我々が乗ってきた電車の奥に、同じカラーリングでひと回り小さい車両が止まっているのが分かるでしょうか。

木製の車体にリベットを多用した日本最古級の電車、デハニ50形・52号車。
「デハニ」とは、電動車(デ)の三等車(イロハのハ)で、荷物室(ニ)がある車両を意味します。

詳しい説明は看板にゆだねるとして、1994年にお座敷列車に改装された後、2009年に現役を引退。
映画「RAILWAYS」撮影のため、オリジナルの内装に復刻された車両です。

ドアの表示も「手動扉」
こんな時間だし、きっとカギがかかっているに違いないと思ったのですが…。

えっ、開いちゃった!?

趣き満点の運転席。

荷物室の壁には、車両の案内とともに、映画のシーンのパネルもありました。

エバーグリーン賞は、長年活躍し、今なお大切に保存されている車両に与えられた勲章のようなもの。

板張りの床を歩いた時のキュッと鳴るような感触にも、木製の窓枠がきちんと開け締めができることにもカンドーします。
ちなみにこの日本最古級の電車、見るだけでなく体験運転もできる(同型のデハニ53で実施)というのもスバラシイと思いませんか?

デハニ50形体験運転:https://www.ichibata.co.jp/railway/dehanidream/

路線情報

★一畑電車
電鉄出雲市~松江しんじ湖温泉(北松江線)の22駅、33.9km
および川跡~出雲大社前(大社線)の5駅、8.3kmで運行
https://www.ichibata.co.jp/railway/

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