9月30日。ネコの国に帰った=^ェ^=を偲んで
話の始まりは、今年2月22日の「乗りものニュース」の記事にさかのぼります。
2月22日は、2・2・2が並ぶ「猫の日」
「ネコ」が含まれる駅の話題は、Yahoo!などのポータルサイトにも見出しが上がりました。
全国に6つも!? 「ネコ」が含まれる駅どこにある?:https://trafficnews.jp/post/124508
「じゃぁ、コウジロウが含まれる駅は?」
コウジロウは、2018年の秋にネコの国へ帰って行った、わが家の長男(ニャン)
ヤツはネコである以上に「コウジロウ」だったのですから、そう考えるのは我々にとってごく自然なことです。
乗換案内に「こうじろ」と入力してみると、まさかのヒット。
しかも、3カ所もあることに驚きます。
なかでも備中神代駅が属する芸備線は、JR西日本管内でも極めて収益が悪く、実質的存廃協議が進む区間。
2023年3月に落石によって東城~備後落合間が不通となったのを知り、そのまま廃線になってしまうのではないかと気をもみました。
だから、7月末に運転再開になった時には、コレがビッチュウコウジロ駅を訪問できる最後のチャンスかもしれないなと。
アクセス
備後落合駅を発車した新見行きは、
6~7割の乗車率といったところ。
数人は、木次線から引き続きの乗り鐵です。
刈り取りを終えた田んぼを眺めつつ、のんびりゴトゴト。
線路はいったん大きく北へカーブし、山のなかを抜けていきます。
小鳥原(ひととばら)第一橋梁は、中国地方で最も高い橋脚を持つ橋です。
最初の停車駅、道後山。
昭和な風情を感じさせる駅舎です。
「やっぱり、芸備線がええよのぉ!」
備後八幡、東城を経て、岡山県に入ります。
野馳駅は、年季が入った板張りでさらにレトロ。
矢神、市岡と過ぎて、坂根駅。
コウジロ駅までは、あとひと駅です。
コウジロ駅に降り立つ
15:52、我々の乗った1両編成の列車は、備中神代駅に到着。
こんな酔狂なことをするのは、我々だけだと思っていたら、他にも降りた人がいて驚きます。
ちなみにもうひとり撮影目的の人がいましたが、その人はクルマで来ていたようです。
備後落合から新見方面へ向かう芸備線は、1日にわずか3本。
この後の21:27発が終電です。
いいんですか、ドア閉まっちゃいましたよ?
いいんですか、行っちゃいましたよ??
「コウジロウ、ココがお前と同じ名前の駅だよ」
持ってきた写真を駅標と共にカメラに収め、ミッション達成です。
もっとも、当猫(ニャン)にとっては「それがどうした」なのでしょうけど。
さて、そんなコウジロ駅は、2面3線のホームと跨線橋を有する地上駅。
以前は木造の駅舎がありましたが、1年ほど前に解体・撤去され、現在は物置のような味気ない待合室があるのみです。
駅舎の手前の引込線も、哀愁を漂わせます。
先ほど「備後落合から新見方面へ向かう芸備線は1日に3本」と記しましたが、実は、伯備線の乗り入れ駅でもあったり、芸備線でも東城発の列車があったりで、停車する本数はそれよりいくらか増えます。
それでも新見まで行く次の列車までは、1時間半以上。
近くをぶらりと散策するとしましょう。
西川にかかるふたつの橋と、時が止まったような集落
駅を出て左へ進むと、ほどなくふたつの橋梁が西川を渡ります。
手前が伯備線、奥が芸備線。
ふたつのローカル線が合流するこのロケーションは、「鐵」にとって魅力的といえるのでしょう。
一方、川を見るとのぞきこまずにはいられない相棒。
「いた!」
相棒の指さす先を見て、ワタクシもようやく魚影を認識することができました。
そうこうしている間に、新見方面から特急「やくも」が。
岡山-出雲市間を伯備線経由で結ぶ「やくも」は、およそ1時間に上下各1本。
停車はしませんが、通過する列車はそこそこ多いのです。
少し先に酒屋があるそうなので、伯備線の線路を渡って歩いて行ったのですが、
かつての街道のような面影はあるとはいえ、酒屋は看板さえ見当たりません。
引き返しの道中で、我々が乗ってきた芸備線が、備後落合方面へ折り返していくのが見えました。
しかし、新見行きの列車までは、まだ1時間以上もあるのです。
土砂降りの雨に降りこめられる
引き返しかけた時にポツンと来た雨は、駅に戻ったころには土砂降り。
屋根と2面の壁だけで囲われた駅舎には、容赦なく雨が降り込みます。
こんなところのベンチに座っていたらびしょぬれになってしまうと、跨線橋に移動して雨をしのぎます。
「やくも」を見送った後、
やって来たのは、普通列車の米子行き。
列車が通り過ぎた後の静寂に、雨音がいっそう大きく聞こえます。
■ガーナかっぱえびせん(192円)
もの寂しさに折れそうになっていた我々のココロを支えてくれたのは、前の晩に電鉄出雲市駅近くのセブンイレブンで買ったガーナかっぱえびせん。
赤いパッケージの<ミルク>なら東日本で買えるのですが、ビター派のワタクシは、西日本限定の<ブラック>が食べてみたかったのです。
ロッテ公式サイト:https://www.lotte.co.jp/products/brand/other/ghana_kappaebisen/
黒光りするかっぱえびせん(笑)
コーティング厚めで、しっかりチョコを感じます。
その後にやって来る、かっぱえびせんのしょっぱさは、確かにクセになりそう。
そして、新見方面に行く、旧国鉄色の「やくも」を見送ります。
電車は通るのに、乗れないというもどかしさ。
薄暗くなってきたなか、カーブの向こうから見えるヘッドライトに心底ほっとしました。
コウジロ駅ともこれでお別れ。
再訪することは、おそらくないだろうなぁ…。
一路、倉敷へ
終着の新見駅までは、2駅10分。
慌ただしく備前片上行きの伯備線に乗り換えます。
車両は岡山エリアでおなじみ、通称「末期色」
今朝からの乗り鐵で、最初のボックスシートです。
19:02、乗り過ごすこともなく倉敷に降り立ちます。
おや、コチラでは雨は降らなかったようで。
施設情報
★備中神代駅
岡山県新見市西方字庄兵衛3899-1
1928年(昭和3)10月25日開業。
乗入路線は伯備線と芸備線の2路線で、芸備線の起点駅である。
“秋の味覚と鐵分補給 in 2023 2章10節「ビッチュウコウジロ駅」” への1件の返信
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