秋の味覚と鐵分補給 in 2023 2章9節「三段スイッチバックと奥出雲おろち号」

9月30日。木次線最大の見どころです

13:32、出雲坂根駅に到着した列車は、備後落合から来る奥出雲おろち号との列車交換のため、20分弱停車します。

標高564mに位置する出雲坂根は、三段スイッチバックの駅。
隣駅の三井野原(みいのはら)までは、160m以上の標高差があります。

また、延命水のある駅でもあり、脇を走る国道314号の利用者にとっての休憩スポットにもなっています。

にしても、列車が駅に着く前からめっちゃイイにおいがしていたんですけど…。

というのも、延命水のすぐそばに「やきとり」ののぼりが立つ直売所があり、

ホームに近い側で、焼きとりを焼いているのです。

この光景は列車の窓からも見えて、宣伝効果バツグン。

ももとかわを1本ずつもらおうとしましたが、「かわしかありません」と。
きっと、奥出雲おろち号の到着に合わせて焼いているんだろうなぁ…。

他に買えるモノはないかと店のなかをのぞいて、

とりあえず、簸上(ひかみ)のワンカップを。
先ほど解結した、出雲横田のお酒ですね。

簸上清酒:https://sake-hikami.co.jp/

奥出雲おろち号、キター

「おろち号、来るよ」
相棒が指さす先、森の切れ目を白とブルーの列車が右から左へと通り過ぎていきます。
うわぁ~、あんな高いところを通っているんだ。

おろち号はこの少し先でスイッチバックして、出雲坂根駅へやってきます。
「さぁ、ホームに戻ろう」

ホームで待つ人たちの注目を一身に集め、奥出雲おろち号がゆっくりと駅へ入ってきました。
1両目がトロッコ車両、2両目が窓ガラスや冷房設備を備えた一般車両。
11月23日の引退まで2カ月を切ったタイミングで、この姿を見ることができただけでもよかったといっていいでしょう。

おろち号が到着すると、備後落合行きはすぐに発車。
相棒はすぐさま後方の運転席脇に向かい、カメラを構えます。

客車を牽引・推進する機関車(DE10形ディーゼル機関車)も、銀河鉄道をイメージしたおろち号専用塗装。
ヘッドマークにも星が輝いています。

ゆるゆるとバックしていくなか、おろち号と駅舎とのショットを収めると、

列車は進行方向を変え、急登に入ります。

通ってきた線路が眼下に見えるのが分かるでしょうか。

そして、再び停車して方向転換。

運転士が車内を通って前の運転席に移動します。

力強いエンジン音とともに、ぐんぐんと上っていく列車。
おろち号でなくったって、アトラクション感は十分です。

■焼きとり かわ(90円)、ヒカミ正宗 GREENCUP(220円)
そんなアトラクションのお供には、先ほど買い求めた焼きとりを。

ももは買えなかったけれど、他の乗客に見せびらかしながら食べる焼きとりはサイコー(笑)
タレの香ばしさと皮の食感が、カップ酒とよく合います。

そして森が切れると、右手に奥出雲おろちループが現れます。
奥出雲おろちループは、区間長2,360m、区間標高差105m、最小半径100m(1重目)、200m(2重目)の二重ループ。
坂根トンネルから三井野大橋にかけて、7つの橋と2つのトンネルで構成されています。

おろち号と同様、ヤマタノオロチ伝説が名称の由来ですが、ヤマタノオロチがとぐろを巻いているように見えなくもないような…。

赤い橋脚の三井野大橋を過ぎて、列車はJR西日本で一番高所にある三井野原駅へ。

コチラの駅では、数組の乗客が降りていきました。
見るからに添乗員といった感じの人もいましたし、木次線のハイライトといえるこの区間だけを乗車するバスツアーがあるようです。

この先で県境を越えて広島県に入り、湯木、そして終着の備後落合へ。

備後落合駅の手前には、相棒の大好物もありました。

超ローカル路線を完乗して感慨もひとしおですが、備後落合での乗り換え時間はわずか3分。
上り、下りの芸備線と木次線の3方向からの列車がこの駅にそろうのは、1日でこのタイミングしかありません。
この先も1両編成だし、急いで席を確保しなくっちゃ。

路線情報

★木次線
宍道(島根県松江市)~備後落合(広島県庄原市)の18駅、81.9kmを主にキハ120系で運行。
全線単線、非電化
1998年4月~2023年11月の間、主に週末にトロッコ列車「奥出雲おろち号」が運行された。

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