秋の味覚と鐵分補給 in 2023 2章12節「備前国の名物料理で部屋飲み」

9月30日。フンパツしても食べたいモノがありました

我々に多い移動型の旅では、ひとつの滞在先での食事はたいていが1回。
でも、こういう場合は、実に悩ましい…。

 その地で食べておきたいモノが複数あり、
 それぞれが違う店でしか食べられない
 しかも、1品だけ食べてはしごするのが難しい店である
 
今回、倉敷で食べたかったのが、返し寿司とままかり料理。
幸いにも、そのどちらも持ち帰りができると分かり、途中駅での待ち時間に予約の電話を入れました。
ホテルでまったり部屋飲み、楽しみ、楽しみ。

ストーリーも興味深い、返し寿司

返し寿司が生まれたのは、江戸時代前期の備前岡山藩主、池田光政候が質素倹約を奨励していたことが背景にあります。
「食前は一汁一菜」として贅沢が禁じられていた時代。
おいしいモノを食べたい気持ちを抑えきれない人たちが、役人に見つかることなくおいしいモノを食べる方法として編み出したのが、一見すると玉子だけ、箱ごとひっくり返すと豪華な具材が現れる返し寿司だったというわけです。

令和の時代に、そんな返し寿司がいただけるのは「四季彩料理 成一(しげいち)」

倉敷中央通りの西側、一番街と呼ばれる静かな町の一角にあります。
我々が泊まった、ザ・ワンファイブガーデン倉敷からは300mほどです。

2021年3月に現在の場所に移転したというコチラの店舗。
夜闇に溶け込む黒塗りの店構えから、玄関先の明かりと「返し寿司」の看板の明かりだけが浮かび上がります。
ビンボー症の我々には、なかなか敷居が高いというのが率直な印象です。

玄関を入ると人感センサーが反応して、またドッキリ。
階段を上った正面のお勘定場で声をかけます。

店の人が商品を取りに行った隙に撮れた唯一の写真がコチラ。
テーブル席はお客さんが帰った後でしたが、奥の個室からは楽しそうな声が聞こえていました。

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ままかりはもちろん、瀬戸内の魚はおまかせ

続いて倉敷中央通りへ出て、阿知中交差点と阿知南交差点の中間にある、郷土料理の店「浜吉」へ。
美観地区にある「浜吉 ままかり亭」に電話をしたところ、休業しているため本店へ来てほしいということになったのです。

ままかりに始まり、たこ、おこぜ…。
瀬戸内の魚ならどんと来いといった、懐の深さを感じます。

民芸テイストの店内はほぼ満席。

倉敷市児島の十八盛酒造の「多賀治(たかじ)」は、相棒がチェックを入れていた日本酒です。

十八盛酒造株式会社:https://juhachi.jp/takaji/

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いただきます

ホテルに戻り、シャワーを済ませて気楽になったところで部屋飲みの始まり。
お寿司系ばかりでは飽きるだろうからと、倉敷到着直後に駅北口すぐのアリオでサラダと見切りの唐揚げも調達していたのです。

■ままかり寿司 8貫入り(2,590円)
ぴっかぴかのままかりさ~ん♪
予約の電話で値段を聞いて耳を疑いましたが、ココまで来たのだからとフンパツしちゃいました。

あぁ、惚れ惚れしますなぁ…。

ママカリはニシン科の海水魚。
「ママ(ごはん)が進み過ぎて、カリ(借り)に行くほどオイシイ」ということから、そう呼ばれるようになったのは、有名な話です。
漁期は4~11月と長めですが、脂がのっておいしくなる10~11月と、稲刈りの時期が重なるというのもおもしろい。

■返し寿司(2,500円)
返し寿司の包みを解き、透明のふたを通して見えるのは、一面黄色い錦糸卵。
エピソードと食べ方をまとめた紙が乗っています。

YouTubeに動画もあるので、関心のある方はどうぞ。

そして登場するのが、彩り鮮やかなばら寿司。
白身の魚にマグロ、タコ、シャコ、エビ…。
もみじ型に抜いたニンジンやむかごが、秋らしいです。
あぁ、眼福、口福…。

フンパツしたとはいえ、お店で飲み食いするのに比べれば安いもの。
我々は、どこまで行ってもビンボー症なのでありました(苦笑)

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