秋の味覚と鐵分補給 in 2023 2章7節「飲み食い処 木次線」

9月30日。11:11発の備後落合行きで

2両目が途中で切り離されるというアナウンスに慌てましたが、何とか1両目に席を確保。
まわりを見ると、いかにも「鐵」な人が目につきます。
廃線のウワサが現実味を帯びつつある木次線。
フツーの週末でさえ、これほどの「鐵」密度なのですから、18きっぷシーズンに積み残しが出るというのも分からなくありません。

口開けの1杯は、しまねっこで

列車は時刻どおり、宍道駅を発車します。
終着の備後落合までは、3時間20分あまり。
さっそく「飲み食い処 木次線」開店とまいりましょう。

■ビアへるん しまねっこえーる(540円)
テーブルのない普通列車の旅において、トレイはもはや必須アイテム。
食前酒は、出雲市駅構内のセブンイレブンで買ってきた、しまねっこえーるです。
ヴァイツェンにしてはクセが少なく、白身魚のフライや塩味の効いたポテトとの相性が酔いとあるのも納得。
無塗装の缶にはられたラベルはかんたんにはがせるので、旅の記録に持ち帰るのも酔いでしょう。

■めんたい風味チーズ野焼き(238円)
昨晩の居酒屋で食べたあご野焼きの、チーズ入りバージョン。
弾力のある生地に練り込んだ明太が、ピリリと酔いアクセントです。

「飲み食い処 木次線」は、ゆっくり南下を続けます

ひと口食べるか食べないかのタイミングで、最初の停車駅、南宍道。

駅を出ると、すぐに緑のトンネル。
遊園地のアトラクションのようで楽しい。

加茂中は、京都の上賀茂神社の荘園があった場所。
大国主大神の御子神で国護りの時に活躍したとされる、事代主命(ことしろぬしのみこと)が祀られています。

大原郡の郡家(役所)があった幡屋。
車窓から見える案内看板のおかげで、ちょっとだけ勉強になります。

おっと、“資料集”との照合も忘れてはなりませんぞ。

出雲大東、南大東を経て、木次。

「好き」を示すハートマークと合わせた「木♥」の駅標が、撮影スポットになっています。

また、コチラの駅は沿線中で5駅の、列車交換ができる駅のひとつ。
「き♥」のラッピングをした宍道行きと行き違います。

車庫には、朱色のキハ120系の姿がありました。
さぁ、列車に戻って「飲み食い処 木次線」を再開しましょう。

山の中でいただく日本海の幸

■かに寿し(1,580円)、炙りトロサーモン(1,580円)
ワタクシが席取りのために先行した間に、相棒が出雲市駅構内で受け取ってきてくれた駅弁2種。
お酒は出雲大社前駅前のカフェで入手した誉池月(300円)です。
焼さば寿しではなく炙りトロサーモンにしたのは、サーモン好きのワタクシに合わせてくれたからだそうで。

開封してセッティングする間も、コーフンしっぱなし。
海なし県民は、海の幸に弱いのです。

かに寿しは、国産のカニのほぐし身がたっぷり。
みずみずしく、くさみがまったくないのは、新鮮さとていねいな処理の証です。

サーモンはノルウェー産ですが、しっとりとして肉厚。
間に挟まれた甘めのシイタケが、もっちりとしたごはんとマッチします。
誉池月が進んじゃいますのぉ。

日本海の幸にうっとりしている間に、まわりはすっかり山の中。
エンジン音も力強さを増していきます。

路線情報

★木次線
宍道(島根県松江市)~備後落合(広島県庄原市)の18駅、81.9kmを主にキハ120系で運行。
全線単線、非電化
1998年4月~2023年11月の間、主に週末にトロッコ列車「奥出雲おろち号」が運行された。

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