なまずの里、よしかわを訪ねる~なまずせんべい編 【二合半堂 まつざわ煎餅店(吉川市)】

6月2日。相棒の「研究」に付き合って、埼玉県吉川市へ

ひと月ほど前、相棒から突然に「なまず料理が食べられるお店」のリンクが送られてきました。
「なまずを釣って食べたい」と口にするようになったのは最近になってからのような気がしていましたが、本人にいわせると、子どものころからずっと果たせずにいたのだとか。
いつか釣り上げる日のために、まずは食べるところから研究ということのようです。

アクセス

東を江戸川、西を中川に挟まれた、埼玉県南東部の吉川市。
昔から中川を利用した舟運で栄え、川魚料理が名物とされてきましたが、平成8年の市制施行を機に、なまずによる町おこしが本格的になったのだといいます。

我々の出発点は、JR武蔵野線・吉川駅。
北口から歩きだす前に、南口ロータリーにあるなまずのモニュメントをチェックしていきましょう。
全長は親なまずが4.8m、子なまずが1.4mで、金胎漆塗り金箔仕上げ。
金ピカが好きなのは、名古屋人だけじゃないようで(笑)

北口にある、特産品取扱店兼観光案内所の「ラッピーランド」
10時の開店前だったため、情報収集はならず…。

なまず料理店の予約までの2時間近くをどう過ごそうかと、目の前の案内板を眺めてみましたが、サイクリングが前提とあって範囲が広すぎます。
「中井沼公園ってところで花しょうぶが見られるらしいから、行ってみようか」
Google Mapによると徒歩で40分くらいかかるそうですが、昨日1日で3万歩以上歩いたのを思えば、何てことはありません。

というわけで、北口からまっすぐ伸びるいちょう通りをズンズンと歩き、「このあたりで曲がってみようか」と右へ。

信号を待つ間、相棒が手前の水路をのぞき込んでいる一方、ワタクシの目に留まったのは角にある丸い看板でした。
色あせてはいるけれど、この凹凸加減は…。

改札内でひっそりと紹介されていた煎餅屋ではありませんか!

「名代 草加せん遍”以」と変体仮名で書かれた屋根下の看板が、名店の風情を感じさせます。
入り口には「なまずせんべい」と染め抜かれたのれん。
話のタネにもなることですし、1枚2枚買っていくとしましょう。

店内の様子

店に入ると、エプロン姿の女将が常連さんと談笑中。
どうやら近日中に行われるお祭りについての話し合いをしていたようです。
「吉川へは観光で?」
「ええ、なまずを食べてみたいと思って」
相棒がそう答えると、話し合いを止めて、さまざまなエピソードを話してくれました。

水運で人やモノが集まって栄え、料理茶屋で川魚料理を出してもてなすようになったのが始まりだということ。
かつては料亭が5軒あり、ココもそのひとつだったということ。
ある料亭は、遊郭にもなっていたこと。
川魚は「かわざかな」ではなく「かわうお」ということ。
隣の町では、なまずは水害から守ってくれた神様として扱われ、食べてはいけないとされていること…。

「吉川生まれの吉川育ち。吉川のことなら何でも知っている」と、豪語する女将。
話のはしばしに「ウチもかかわっているんだけれど」という言葉が入って来るのを聞いて、商工会の理事も務め、吉川の観光をリードするスゴイ人であるコトが分かったのです。
ココに書ききれないあれやこれやは、ぜひ足を延ばして聞きに行ってみて(笑)

商工会の加盟店舗を中心に、市内のおよそ30カ所で「まちなか水族館」として、なまずを飼育しています。
コチラの店のなまずちゃんは2代目とのこと。
顔を見ようと水槽をのぞいてみましたが、夜行性のため、壺に入ってお休み中…。

メニュー

入り口右手は、吉川特産品のコーナー。
なまずせんべいは、醤油、ごま入り、のり入りの3種類、よしかわチップスは、醤油、のり醤油、唐辛子、和風カレーの4種類があります。

なまずをかたどっているだけで、フツーのお煎餅に見えますが、吉川市で特別栽培した黒米の米粉を100%使用しているとのこと。
3種類が1枚ずつ入った三姉妹が手ごろです。

中井沼公園へ

一向にとどまらない話に20分以上も捕まってしまい、時間に余裕がなくなってしまいましたが、スピードを上げて歩くこと20分ほどで到着。
たいした距離ではないはずなのに、いくら歩いても風景が変わらなくて、ココロ折れそうになりました(苦笑)
草刈り機の音が響くなか、草の香りとホコリにむせそうになりながら階段を降りていくと…。

花しょうぶは、狙った通りの花盛りです。

中井沼公園の脇を流れる大場川。
煎餅屋の女将が、なまずが釣れるスポットとして教えてくれました。
市の女性議員さんも、ココでナマズの捕獲にチャレンジしたそうです。

いただきます

■なまずせんべい 三姉妹(340円)
座れるところが見当たらないので、平らなところを求め、植え込みの上にもらってきたパンフレットとともに広げました。

花しょうぶをバックにもう1枚。

個包装から出すと、煎餅そのものにもユーモラスな顔が付いています。
相棒は頭側から、ワタクシは尻尾側から手で割ってひとかけ。
思っていたほど硬くなく、ガンバって噛まなくても、口の中でソフトになっていきます。
お米の香りがいいし、醤油もしつこくない。
もうひと口、もうひと口と後を引きます。

■よしかわチップス(200円)
コチラの品は、本宅に帰ってから開けてみました。
この手の煎餅にしては大ぶりで、15枚入り(フレーバーによって16~18枚入り)
黒米由来の薄紫色もキレイです。
一度揚げてから油抜きをしているので、サクサクであっさり。
カレー粉+醤油の風味もよくて、相棒ともどもツボにハマりました。
値段もリーズナブルだし、お取り寄せしたい!

店舗情報

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