飲んで、食べて 越後米づくし Act3 【お酒を楽しむリゾート列車(上越市~南魚沼郡湯沢町)】

8月17日。駅弁を買ってホームに降りると、我々が乗る「ゆざわShu*Kura」が入線していました

この列車に乗りたいがためにプランニングしたといっても過言ではなかった、今回の旅。
「越乃Shu*Kura(十日町行き)」「ゆざわShu*Kura(越後湯沢行き)」「柳都Shu*Kura(新潟行き)」と、日程によって運行区間が異なる列車ですが、とくに相談することもなく、越後湯沢へ行こうという流れになりました。
18きっぷシーズンとなると、選べる日程は7月3週目か8月3週目のみ。
1カ月前に有休を取り、みどりの窓口に並んで指定券を確保しましたが、えちごツーデーパスの存在をもっと早く知っていたら、この時期にこだわる必要はなかったかと。

「藍下黒」という青みを帯びた黒に白を組み合わせたカラーリング。
ベースはキハ48形です。

和テイストのかわいらしいエンブレム。

「Shu*Kura」の停車駅には、石製の立派な駅名標が設置されています。
左上には日本海の波、右下には稲穂。
中ほどの格子には越後の名物風景がはめ込まれ、その脇に演奏風景のシルエットが描かれています。
でも、パンフレットによると、酒樽をイメージしているのだそうで。

3両編成のうち、1号車はびゅう旅行商品専用車両。
大きな窓ごしに、シックなテーブルを備えたゆったりとしたボックスシートが目に入ります。
そこまでゼータクしなくても…と思っていたけれど、中の様子くらいはのぞいてみたかったかも。

駅員から横断幕での見送りを受け、列車に乗り込みます。

一般の指定席となる3号車。
回転もできるリクライニングシート36席に加え、自由にくつろげるソファー席もあります。

越後の地酒を飲み比べ

荷物を置いたら、いそいそと2号車へ。
酒樽をモチーフとしたスタンディングテーブルがオサレなイベントスペースです。

記念スタンプも押せるし、

こんなプレートで、SNS映えを狙った写真を撮ることもできます。

「Shu*Kura」のコンセプトは「お酒を楽しむリゾート列車」
サービスカウンターの「蔵守~Kuramori」には、越後の地酒をはじめ、お酒に合う品々を取りそろえています。

メニューはコチラ。
雪室熟成のコーヒーや雪下人参のジュースなどは、お酒が飲めなくても味わえる越後の味です。

でも、ココまで来たからには、やっぱり地酒ですよね。

というわけで、列車が走り出すや早々に…。

■利き酒5種類(1,500円)
ふたりでならいけるでしょうと全種類を。
半月型のトレイに足付きのカップが涼やかです。
妙高市、十日町、新潟市、長岡市、加茂市と県内各エリアを網羅するラインナップ。
後になって、トレイに敷かれた説明書きを撮っておかなかったのを後悔しました。

相棒が用意してきたのは、庭で取れた枝豆に、ピーマンとナスの煮物、昨日の晩ごはんから取り分けたスペアリブ。
気合い入りすぎです(笑)

繊細なイメージのある新潟の地酒。
大吟醸から順に重いモノへと行ってみましょう。

■雪椿酒造 越乃雪椿 純米大吟醸(400円)
サラッとしたなかに米が香ります。
味は意外と辛口。
http://www.yukitsubaki.co.jp/

■吉乃川 新潟しゅぽっぽ 純米吟醸(300円)
フルーティーで若干の酸味。
https://yosinogawa.co.jp/

■越後鶴亀 新潟しゅぽっぽ 純米吟醸(越後鶴亀)(300円)
酵母が香る一方で、旨味はほとんど感じられません。
コレは正直いって苦手。
http://echigotsurukame.com/

■松乃井酒造場 松乃井 吟醸越淡麗(300円)
甘めの口当たりは、まるでデザート。
冷たいからすっきり感じられるものの、常温だと甘ったるいかもしれません。
魚系が香るシンプルなおつまみが合いそう。
ゼリーにしてもよいかも。
http://www.matsunoi.net/

■妙高酒造 妙高山 特別純米原酒(200円)
原酒といっても、なじみのある信州の地酒に比べるとパンチに欠けます。
あと口は確かに原酒。
魚の甘露煮と合わせてみたい。
http://myokoshuzo.co.jp/

ジャズを中心とした生演奏

窓を背にしたスペースで、生演奏が始まりました。
キーボードとベース、カホンが奏でるポップスやジャズのスタンダード。

一緒にリズムを取って楽しめるよう、テーブルの上にマラカスが用意されていました。

ワタクシが好きな「情熱大陸」
しなやかで躍動感のあるカホンがカッコいいっ!

相棒は「Let It Be」をリクエスト。
歌本を開き、ふた言三言コミュニケーションを交わすだけでたいていのリクエストに応えてしまえることに、感心せずにはいられません。

海だぁ~っ!

上越妙高を出発してからおよそ30分。
潟町を過ぎたあたりから、進行方向左手に海が見えてきます。

窓の外にカメラを向ける人も多数。

そして列車は、青海川駅に停車しました。

日本で一番海に近い駅とされる青海川駅。

この風景は、一般道からも高速道路からも見ることができない、鉄道利用者だけの特権です。

コチラの駅ではホームに降りて写真撮影ができるよう、6分ほどの停車時間が設けられ、

アテンダントのお姉さんもシャッターを切ってくれます。

車内に飛び交う言葉は中国語?

そうこうしている間に、相棒はゴキゲンな台湾人ご一行と意気投合。
コテコテの台湾語が聞こえてきた時点で、この展開は予想できておりました(笑)
「そんなに歩かなくてもいいから」と、乗り鐵を目的に訪れたとのこと。
日本語がほとんど通じなくても、こんなツウな旅を実行してしまう台湾人のパワーはさすがです。

そんな盛り上がりっぷりに日本語がわかる台湾人と思われ、その後行われた「0円おつまみ」レシピの紹介では通訳をお願いされてしまうはめに。
(紹介をしているのは、2018年ミス・アース・ジャパン新潟代表の藤井みなみさん。どこに内臓が入っているんだろうというくらいに細いっ!)

「中国語圏のお客さんも増えているので、中国語ができるようになりたいと思っているんですが」と話す、アテンダントのお姉さん。
とにかく「シェイシェイ」で切り抜けるコミュニケーション能力は、なかなかキョーレツでした(笑)

「0円おつまみ」として紹介された枝豆の白和え。
常備菜の残りを豆腐で和えることで、フードロスの軽減を図るメニューです。
味付けは醤油とだし、ごま。
新潟は、枝豆の消費量が多いんですって。

長岡駅で進行方向を変えた列車は、再び山の中へ

イベントがひと区切りついたところで、3号車に戻って駅弁を広げます。

小出駅で目に入った時刻表。
1日にわずか4本とはいえ、絶景の秘境路線といわれる只見線にはいずれ乗ってみたいものです。

2度目の生演奏が終わると、ほどなく終着の越後湯沢。
3時間あまりの乗車時間、飽きるどころか、まだしばらく乗っていたいくらい。

この後、14:45に上越妙高へ向けて折り返しとなる「ゆざわShu*Kura」
台湾人ご一行は、どうやら往復で乗るようで…。

路線情報

★ゆざわShu*Kura
「越乃Shu*Kura(上越妙高~十日町)」「ゆざわShu*Kura(上越妙高~越後湯沢)」「柳都Shu*Kura(上越妙高~新潟)」と日程によって行先が異なり、主に週末に1往復ずつ運行。
1号車はびゅう旅行商品限定、3号車は乗車券(青春18きっぷ、えちごツーデーパスも使用可)に加え、指定席券が必要。
https://www.jrniigata.co.jp/train/shukura/

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