8月6日。豊橋名産といえば
東海地方在住ないしは出身者なら、弥次さん喜多さんが新幹線に乗ってちくわを追いかけるCMに見覚えのある人も多いのではないでしょうか。
豊橋名産として、あまりにも有名な「ヤマサ」のちくわ。
駅のコンコースにも、
ホームのコンビニにも広告が見られますし、
立ち食いうどんのメニューだって、ヤマサちくわとのコラボなのです。
そして、駅から数分のところにおもしろい体験ができるところがあるそうで…。
アクセス
豊橋駅東口からペデストリアンデッキで駅前の通りを渡り、左方向へ。
ひとつ目の信号を右に折れた一帯は、広小路通りと呼ばれる、市内有数の繁華街です。
広小路通りを進んだ左手にある、炭とおでんの店「広小路 でんでん」は、ヤマサの直営店。
「食べログ」のレビューに予約必須とあったことから、相棒が飯田線の車中から電話をかけて予約しておいたのです。
午後5時のオープンまで、あと数分。
まわりの酔さそうな店にもココロひかれます。
店の人が出てきて看板をセットし、
開店のお時間。
我々が一番乗りです。
店内の様子
入ると左手が、はね上げ式の扉の付いた下足箱になっています。
そのひとつに我々の苗字が。
「なるほど、予約の時に漢字を尋ねられたのはこのためだったんだ」
そして、カウンターの脇を通って、
個室へ。
スポット的な照明が落ち着いた雰囲気ですが、写真を撮るにはちょっとキビシかったりします。
メニュー
2冊に分かれたメニューのうち、ドリンクのほうを手に取ります。
ビールは一番搾りとラガー。
全般的に少し高めかも。
こだわりの日本酒に、おすすめ日本酒。
初めて名前を見る銘柄が半分以上ありました。
刺し身にもおでんにも合うというのが、基準のひとつのようですね。
焼酎のラインナップも個性的。
しかも、オーガニックワインまで。
もう1冊のメニューの表紙には、亭主によるおでんのこだわりとひとりごと。
「だしが肝心じゃんね」
「手間暇かけて作るだに」
「旨いとこで食べとくれん」
三河弁ですのぉ。
おでんをアテに、まったり飲むのも酔いですが、
ココへ来たからには、自分で焼く握りちくわは外せません。
焼きおでん、焼き天ぷらというのも珍しいですね。
そのほか、月替わりのおすすめメニューや
炭火コンロで焼く干物や焼き野菜も。
いただきます
■お通し(300円)
小鉢には、豆ちくわとかまぼこ。
この時点で老舗の威力を見せつけられます。
おだしを出してくるあたりもココロ憎い。
■醴泉 特別純米酒(930円)、公楽 三河手筒(710円)
せっかくなので中部圏のお酒をと、岐阜は養老のお酒、醴泉(れいせん)と、地元・豊橋の三河手筒を。
塗りの片口に入って供されるのにも、粋を感じます。
どちらもやや淡麗、辛口を特色にしながらも、まったくタイプの違うお酒。
個人的には、イナカの集まりを想像させる「三河手筒」より、旨味も楽しませてくれる「醴泉」が口に合いました。
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■握りちくわ(495円)
炭火コンロが用意され、メーンイベントの登場。
忍者が水遁の術で使いそうな竹筒に、エソやグチを使用したすり身が塗りつけられています。
白さがまぶしい。
運んできたお姉さんにも説明してもらったとおり、手を止めることなく回し続けます。
■焼きおでん(748円)
炭火があるのだからと、もう1品。
小ぶりの串が、酒飲みのココロを捉えます。
こんにゃくと厚揚げは、おだしで軽く煮てあるようです。
八丁味噌ベースの甘味噌と、唐辛子とニンニクを練り込んだ辛味噌。
辛味噌はこれだけでアテにしたいくらい。
ちくわは表面が乾いてきたら、皮が膨らまないよう、竹串でつついて穴を空けます。
ほどなくポツポツと茶色い斑点が見えてきて、
一気に焼きが進みます。
20分ほどかけて、見事に焼きあがりました。
相棒の腕といい勝負!?
映える背景を求めて、日本酒と。
そうこうしている間に、皮がしぼんでシワができ始めてきます。
さぁ、カメラを置いて食らうべし。
何も付けずにガブリとかぶりつくと、跳ね返されるような弾力と凝縮された魚の風味。
「すげ…」としかいいようがありません。
エンタテイメントとしても十分楽しめて、この値段は良心的。
酔い体験ができました。
おまけ
今回は「鐵」より「食」を優先しましたが、豊橋は市電の走る街。
次はビール電車かおでんしゃの運行スケジュールに合わせて訪れ、酔いひとときを過ごしたいものです。