12月14日。直行バスだけではないのです
強い西風の影響で到着が20分ほど遅れるという機長からのアナウンスに、我々は「間に合うかなぁ…」と顔を見合わせました。
直行バスならきっと到着を待ってくれるのでしょうが…。
最前列で真っ先に飛行機から降りられたのと、預け荷物がなかったのをいいことに、最短のタイムロスで到着ロビーを出ることができました。
目指すは、ロータリーの一番先にある6番乗り場。
空港から7kmほど北の肥後大津駅まで、無料の空港ライナーが出ているのです。
熊本駅へ直行バスを使った場合は1,000円、肥後大津駅から熊本駅へは480円。
「鐵」も楽しみたい我々にとっては、使わにゃ損というわけです。
我々が乗り場に着くとすぐに、9人乗りのジャンボタクシーがやってきました。
ココにも熊本県の営業部長兼しあわせ部長(以下、くまモン)の姿が。
しかも、ナンバープレートにまで!!
さっそく乗り込みます。
満席になったところで、発車時刻を待たずに発車。
乗り切れない人もいたらしく、応援便を手配する無線が聞こえてきます。
肥後大津駅までは、県道36号経由でおよそ15分。
市街地のストップ&ゴーに加え、運転もなかなかアグレッシブです。
くまモンの秘密基地に立ち寄ってみよう
到着した肥後大津駅は、菊池郡大津町の玄関駅。
駅の南側を通る国道57号線沿いに市街地が拡大したことから、旧来の駅舎にある北口に加え、2011年(平成23)に南口駅舎が新設されました。
ビジターセンターを兼ねているコチラの駅舎の前にもくまモン。
熊本でくまモンの姿を見ずに行動することは不可能といわれているのは、決して大げさではないらしい…。
列車まで時間があることだしと、とりあえず待合室に入っていくと、
奥の一角が、黒をベースにコーディネートされたスペースになっています。
「KUMAMON BASE」は、くまモンの秘密基地をイメージした空間として、2023年(令和5)3月にオープン。
レトロな小物やプレート、海外へ行った時の思い出の写真などが飾られています。
さらに窓際には、くまモン仕様のモンキーも。
ココからクルマで10分ほどのところにある本田技研工業の熊本製作所は、国内唯一のHONDAの二輪生産拠点だそうで、ロータリー内にもバイクが展示されています。
そうか、「KUMAMON BASE」の頭文字で「KB」ってことなのか。
くまモンがつなぎを着た整備士姿だったことにも、その胸に「KB」とあったことにも、ようやく合点がいったのでした。
くまモンだけじゃなイモ
熊本というと、くまモンの存在感がハンパありませんが、大津町にはオリジナルのマスコットキャラクター「からいもくん」がいます。
モチーフは、県内トップの生産を誇るサツマイモ。
駅に焼きいもの自動販売機が設置されているところは、そうそうないでしょうね。
豊肥本線でGo
列車が入って来たことを知らせるアナウンスを聞いてホームに向かうと、真っ赤な車両が止まっていました。
キハ185系気動車かな。
大分から豊肥本線経由で熊本に向かう「九州横断特急2号」
「AROUND THE KYUSHU」のロゴがカッコイイですが、特急料金が必要なので見送らなければいけません。
九州横断列車の発車からほどなく、向かいのホームに熊本方面から列車が入ってきました。
肥後大津駅は電化/非電化の境界駅。
この列車が折り返して熊本行きになります。
車両はJR九州の近郊型・通勤型電車、コミュータートレイン821系。
始発駅だから余裕で座れます。
車窓からの風景は、フツーに住宅地なので割愛。
そろそろガソリン(!?)を補給したいところですが、通勤型車両では気が引ける…。
終着の熊本までは40分弱。
この駅名標のデザインを見ると、九州に来たと実感しますね。
路線情報
★空港ライナー
空港利用者を対象に、阿蘇くまもと空港~JR肥後大津駅を無料で運行。
おおむね30分に1本(1日54便)運行され、所要時間は約5分。
団体客、車いすの場合を除いて予約不要。
https://kukouliner.com/
★肥後大津駅
1914年(大正3)6月開業、1928年(昭和3年)12月に路線名の改称に伴って、豊肥本線の駅となった。
単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線のホームを持つ地上駅。
交通系ICカードは、熊本方面のみ利用可。