4月13日。実は、うどん屋をはしごする前に…
高松駅から1軒目のお目当てに向けて歩いて行くと、突如目の前にいいようのない風情の店構えが現れました。
「たばこや?」
といっても、売っているのはタバコではなく、本場さぬきの天ぷら。
色あせた軒看板には「創業二百年 老舗の味」「てんぷら 揚げ売の店」と書かれています。
そういえば海に近いところでは、いわゆるさつま揚げの類を「天ぷら」と呼ぶんでしたっけ。
アクセス
JR高松駅のロータリーから、裏道を南へほぼ一直線。
中央通りへ出てしまった場合は、アーケードのひとつ手前の信号を右へ折れて1ブロックです。
いったん通り過ぎるも気になって、角の説明まで引き返します。
高松で一番古いかまぼこ屋。
本来の製法で、すり身を練るのに石うすを使うとは知りませんでした。
今は食べたい気分じゃないけれど、食べ逃したら後悔すると、店の中へ。
人感センサーのチャイムの音で、おばさんが奥から出てきました。
店内の様子
「今日は土曜日だから、あまり数をつくっとらんけれど」
いえいえ、こんなにあれば十分ですとも!
メニュー
ごぼう天やいか天などの小ぶりな天ぷらは60円。
「おススメは何ですか?」
「れんこん天とかじゃこ天とか。チーズ天も人気だねぇ」
朝は7時くらいから揚げているとのこと。
小ぶりな天ぷらは、地元の人が10個くらいまとめて買うことも多いと話してくれました。
ココでいうところの天ぷらだけでなく、いわゆる天ぷらやコロッケもやっているようです。
「紅しょうが天ときくらげ天、ひとつずつくださいな」
「チーズ天はいいかね?」
おばさん自身が好きなのかと思って尋ねてみたら、実はあまり好きじゃないそうで…(笑)
おばさんは、できるだけ温かいのを選ぼうと気遣ってくれましたが「すぐには食べないので、ほどほどでいいですよ」と。
それでもココロがほんわかとする温かさです。
いただきます
■しょうが天(60円)
ひとつ目はうどんのトッピングに。
大きすぎず小さすぎずのちょうどいいサイズです。
押し戻されるようなムチッとした弾力、なめらかな舌触り。
豊かな魚の香りを紅しょうがが引き締めます。
他の観光客でこんなゼータクなうどんを食べている人はいないだろうと思うと、ひそかに優越感。
■きくらげ天(60円)、チーズ天(160円)
残りのふたつは、駅弁とともにおつまみに。
3人でひと口ずつシェアしました。
香りと歯ごたえのいいきくらげ天は、地味に見えながらオトナな味。
チーズ天は、魚のうまみとチーズのコクのバランスが絶妙です。
さすが、おばさんが熱心に勧めるだけのことはありますね。