クリスマスは「はしご鐵にはしご酒」で 1章3節「12月、山口市はクリスマス市になる?」

12月22日。新山口駅からは山口線に乗り換えて

ホームの階段を降りると「明治維新150年の山口県へようこそ!」とお出迎えを受けました。
相棒いわく「高杉晋作はこんなにカッコよくなかったはずなんだけど…」と。
まぁ、若くして亡くなった人は、えてして美化されがちですから(笑)

あらかじめ調べておいた乗り継ぎは19:49発。
19:20発の表示が残っているのを見て、時計に目をやりました。
やっぱり過ぎているんじゃん…。

改札内のコンビニもすでにクローズ。
手にしているきっぷが近距離のため、改札を出ることもできません。
でも柵の外に見えるディスプレーには、今回、我々が山口を訪れた目的が映し出されていました。

「12月、山口市はクリスマス市になる」
日本で初めてクリスマスが祝われたのは、1552年12月のこと。
前年に山口の地でフランシスコ・ザビエルが布教活動を行ったことでキリスト教が広まり、当時山口で布教活動を行っていた宣教師らが司祭館に日本人信徒を招き、讃美歌を歌ってクリスマスを祝ったといいます。
この史実は地元でも長く人々に知られていませんでしたが、1991年に焼失した山口ザビエル記念聖堂の再建設を機に注目され、1997年にイベントがスタート。

そんな「日本のクリスマス発祥の地」で、ゴスペルシンガーの亀渕友香さんがプロデュースを務めていた「山口きずな音楽祭」をはじめ、どんなクリスマスが祝われているのかと、興味を持っていたのです。

しかし、クリスマスマーケットやメーンセレモニーは月初に終わってしまっているし、音楽祭も惜しいところで日程が合いません。
せっかくなら、3連休に合わせてやってくれればいいのに…。

そんなことを思いながらホームに降りると、すでにオレンジ色の気動車が入線していました。

向かいのホームには、「りほごお」と右から左に書かれた駅名標が。
かつての小郡駅は、いつの間にか新山口駅になっていたんですね。

明日が満月だそうで、月明かりがホームを照らします。

では、そろそろ乗り込みましょうか。

車内の様子

列車は2両編成。
夏の瀬戸内旅で乗った桃太郎線と同じつくりと思われます。

ドアが押しボタン式なのを見ると、親近感(笑)

車窓からの様子

窓の外を通り過ぎて行った回送列車。
明治維新100年のラッピングです。

5面8線のホームを持つからこその構図。
ちょっとおもしろくない?

新山口駅を出た直後、「あっ、転車台!」とコーフンする相棒。
しかし、カメラは間に合わず…。

最初の停車駅は周防下郷。
山口線沿線の各駅で「つながるイルミネーション」として飾りつけをしていると聞いていたのですが、その気配はなし…。
その後の駅でも、イルミネーションらしきモノは目に入りません。

比較的多くの乗降客があった湯田温泉でもこんな感じ。
「ゆだおんせん」と聞くと、イエスを裏切った「ユダ」と関係があるように思うのは考えすぎでしょうか?

新山口から20分強で山口駅に到着。

「結局、イルミネーションなかったねぇ…」

なんていっていたら、ロータリーにささやかな飾り付けが。
これでは列車から見えないのも無理はありません。

駅前の通りも控えめな灯りが灯るだけ。

アーケードが街の中心部のようですが…。

これだけのはずはないと、ホテルにチェックインしてからクリスマスを探しに出かけました。

ザビエル記念聖堂。
真っ暗ですが、かなり立派な建物です。
誰もいないのをいいことに、軒下でクリスマスソングをハモっちゃった♪

階段を上り、亀山公園へ。

山頂から明るく照らし出されている一角が見えました。
「あそこまで行ってみよう!」と山を下り、

イルミネーションに照らされた一の坂川沿いを進んで行くと…。

真っ暗な広場に、白とブルーの明かりで造られた教会風のオブジェがありました。
インスタを意識してか、ピンク色のハートも。

商業主義のクリスマスにのらされるつもりはないけれど、日本のクリスマス発祥の地らしい試みがないのはさみしいかなと。
フランシスコ・ザビエルや日本で最初のクリスマスを祝った宣教師たちも、きっとそう思っているでしょうね。

イベント情報

★12月、クリスマス市になる
http://www.xmas-city.jp/