2023春・オトナの18きっぷ旅 2章4節「京都丹後鉄道」

4月2日。いったん18きっぷを離れて

福知山からは、「丹鉄(たんてつ)」こと、京都丹後鉄道で「海の京都」と呼ばれる京都府北部地域をめざします。
昨日の山陽電車もそうでしたが、今回の旅では18きっぷ縛りを解き放って、乗ってみたい列車を楽しみましょうと。

2023春・オトナの18きっぷ旅 1章4節「子午線が通る駅」


WILLERが運行、タッチ決済使えます

京都丹後鉄道は、宮津駅をハブとし、豊岡までの宮豊線(58.9km)、福知山までの宮福線(30.4km)、西舞鶴までの宮舞線(24.7km)の3路線で構成されます。
運行は、高速バス事業(WILLER EXPRESS)を傘下に持つWILLERの子会社であるWILLER TRAINS。
近畿タンゴ鉄道株式会社(KTR)が施設を保有する上下分離方式となっています。

階段を上がって2階が改札。
券売機は現金のみですし、交通系ICカードも使えないのは不便ですが、

有人窓口でクレジットカードが利用できるのに加え、2020年11月からはVISAのタッチ決済にも対応するようになりました(鉄道では日本初)
ちなみにふたりにとって、初めてのタッチ決済。
画面に「○ PASS」と表示されたらOKです。

なお、降車時には、車両に設置されているリーダー、

または、駅改札に設置されている降車用のリーダーにタッチすることで支払いが完了します。
この便利さ、交通系ICカードが使えない地方の鉄道にも広がってほしいものです。

Visaのタッチ決済で丹鉄の列車にかんたん乗車:https://trains.willer.co.jp/guide/pay-with-visa/

09:09 福知山~10:01 宮津(宮福線)

ホームへ上がると、我々が乗る9:09発の宮津行きが入線していました。

落ち着きのある赤に金色がかった黄色いラインの入った、KTR300形気動車。

側面に入った「丹鉄」のロゴが、シブい輝きを放ちます。

ローカルな路線だと思っていたので、1両編成のクロスシート車両がかなりの人で埋まっていたのにはビックリ。
しかも観光客が多いので、あやうく宮津までの50分あまりを立って過ごさなくてはならなくなるところでした。
おや、通路を挟んだ一画からは、台湾国語が聞こえてきますよ。

福知山を出てからふた駅ほどの間は、先ほど乗ってきた山陰本線を引き返すようにして進み、その先は大江まで、国道176号とほぼ並走してルートを取ります。
分岐直前の荒河かしの木台駅では、色違いのKTR300形と行き違い。
沿線の山々を表現した千歳緑色のカラーリングや、大江山の鬼伝説にちなんだつり目型のヘッドライトが特徴です。

牧駅周辺では、まさに見ごろのサクラに目を奪われます。

風情のあるトンネル。

大江駅の向かい側のホームには、黒光りする車両が。
金・土・日・祝運行の予約制レストラン列車、丹後くろまつ号です。
水戸岡鋭治氏のデザイン、カッコいいな~。

この後もサクラや、

行き違う列車を眺めて、目の保養。
大江山口内宮という駅名に、百人一首の「大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみもみず 天橋立(小式部内侍)」の歌が頭に浮かびます。

山を越えるとあたりの景色が開け、

ほどなく終着の宮津へ。
おや、あの列車は?

藍色のメタリックカラーと、丸くて大きなおでこが特徴の「丹後の海」
コレもまた、水戸岡鋭治氏がリニューアルを手がけた車両です。

跨線橋から、乗ってきたKTR300形とツーショット。

京都へ直通する特急ということで、乗客も結構多いようでした。

10:18 宮津~10:53 西舞鶴(宮舞線)

宮津では15分強の待ち合わせで、西舞鶴行きに乗り継ぎます。
アイボリーをベースにしたレトロっぽい車両は、KTR800形がベース。

茶系をベースにした柄のファブリックと、木の床が温かい雰囲気です。

「もしかして、コレも?」と思ったら、やはり水戸岡鋭治氏によるリニューアル車両でした。

進行方向左手、湾を挟んだ向こうに天橋立。

このあたりのサクラもキレイです。

海沿いを走る宮舞線ですが、茂みが多く、いいタイミングで写真が撮るのは難しかったりします。

宮津からふた駅目の丹後由良を過ぎた先で、相棒は「いよいよ由良川橋梁だ!」と。

由良川橋梁は、由良川河口に近くに架かる鉄道橋として1923年(大正13)に完成。
橋長550mにおよぶ橋は、橋げたが水面に近く、トラスや架線がないことから、撮り鉄の間で有名な撮影スポットになっているといいます。

スピードを落とし、水の上を滑るかのごとく静かに進む列車。
現実離れしたような、不思議な光景です。

由良川を渡り、舞鶴市に入ってからも、絵になる風景と出合います。
対向列車のKTR700形は、かつての西武ライオンズのユニフォームみたいなカラーリング(笑)

「あっ、キハ85系だ!」
西舞鶴駅到着直前、相棒が声を上げました。
高山線の特急「ひだ」として活躍し、つい先日(2023年3月)のダイヤ改正で引退を迎えたJR東海の特急型気動車。
どこかのローカル線に移籍したというニュースは記憶にありましたが、それが丹鉄だとはまったく意識していませんでした。
丹鉄では、KTR8500形の形式名で、第二の人生(車生?)を歩むそうですよ。


路線情報

★京都丹後鉄道
第三セクター鉄道の北近畿タンゴ鉄道(KTR)から、WILLERの子会社であるWILLER TRAINS株式会社が列車の運行、乗車券の販売などの事業を譲り受け、2015年4月1日に発足。
宮福線(宮津~福知山間、30.4km)、宮舞線(宮津~西舞鶴、24.7km)、宮豊線(宮津~豊岡、58.9km)の3路線をKTR700形、KTR300形などで運行している。

京都丹後鉄道:https://trains.willer.co.jp/

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